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ひぽこんコラム
by 和田
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■野良猫が死んでいく
分かった、分かったよ、とにかくタオルと湯たんぽから離れるな!とだけ言って、逃げてきた。
シャアアアアアアアアアアアアアに負けた。
でもそれからずっと気になって。。。。シモマンに連絡する。折り返しかかってきて。。。。とりあえずネコは寒さに意外と強いから、箱だけ置いてきてあげれば、自分から入るかも?と言われて、そうすることにする。
また外へ。と、ネコの横に見知らぬお兄さんがいる。「なんか見ちゃったから気になって。この子、いつもこのあたりにいる野良猫ですよね。車にひかれたのかな。。。」と言う。そうなんだ、知らなかった。シモマンと、そのマンションから落ちたのかも?とか言ってたんだけど。。。
とりあえず箱に入れられるといいと思い、お兄さんにタオルでつかんでくれないか?頼む。お兄さん、トライ。が。シャアアアアアアアアアアアアアアアアアア。そしてズルズル動かない足で逃げる。逃げる。逃げる。あ。。。冷たい金属のドブ板の上に。。。ダメだよ、そこ、冷たいって。。。と焦るオレとお兄さん。
さらに迫ると、壁際に行った。さらに逃げようとする。分かった。分かった。そこにいろ!と箱を横に置き、湯たんぽも。。。大分冷めちゃったけど、置いた。タオルも上からかけた。
「これが限界だね」お兄さんはそう言う。私もそうだ。これ以上やってあげられることはない。飼ってあげられるわけじゃないし。病院に連れて行く金もない。ごめんなさい。お前を見捨てるんだ。ごめんなさい。
それからやりきれない思いが沸き起こり、シモマンに何度もメールする。。。。
シモマンから、最後のときに親切にしてもらえば幸せだと言われて、そうかも、と思う。ネコは淡々と死んでいくと言われて、そうかも、と思う。
ネコ。どうにもできない。
ふと思った。私は戦場にいたら発狂するなと。誰も助けられない無力感に、死にそうになるな、と。いや、災害地もそうだな。そういうのに耐えられないなとか。無力さに本当にイヤになる。
そして朝になった。
グウグウ寝たオレ。そんなものだ。。。
思いついて、水筒に湯を入れて、プラスチックトレイにお湯とジャコを入れて、行ってみた。。。死んでるか。。。生きてるか。。。。
いたっ!
生きてる!
が。。。。誰かがさらにかけてあげたのだろう、お兄さんかもしれない。。。。Tシャツなんかがあって。。。。でも。。。。それらすべてがウンコまみれになっていた!!
湯たんぽにもウンコが。。。。
そして本人はハアハア虫の息だ。。。すごい苦しそう。なのに私を見ると、またシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア。
分かった分かったよ、と湯たんぽのウンコのついてないところを持って、中を取り出し、水を捨てて、湯にとりかえる。そしてまたネコの横に。シャアアアアアアアアアアアアア。一瞬怒ったが、その暖かさに気がついたのか。スッとだまった。そのまま横にジャコ入りのお水をおいた。何も言わない。
こっちを見るネコ。
もうお別れかもね。ネコ。。。さようなら。
このウンコまみれ具合からして、相当悪いし、それにこのマンションの人が黙ってないだろう。。。。
何せ入り口のすぐ横だ。。。。
最後のときを、湯たんぽで温まって欲しい。
誰かがおまを気にしたことを感じて死んでほしい。って、分からんだろうが。。。でも1人じゃなかったんだから!
私ができるのはここまでだ。さようなら、野良猫。オレは無力だ。お前と同じくらいに。
オレもいつもシャアアアアアアと牙むいて生きてきた。同じだ。
シャアアアアアアアアアアアアアアアアア!

02月07日(日)
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