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東京の片隅から
by はる
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■一般職を選ぶ理由
「最近一流大学の女子学生が就職活動で一般職を選ぶ」という記事を読んで、なんだかモヤモヤしていたのだけど、理由が見えてきたので書く。

そもそも書き手の「一般職」に対する認識が現状とあっていないのではないかな。コピーやお茶汲みは、もうない。あっても派遣社員やパートの仕事だ。正社員の一般職の仕事は、21世紀ではもうちょっと複雑だ。商社の一般職なんてよそに行ったら普通に総合職やれる人たちが集まっている。

記事のトーンとしては「せっかく偏差値の高い大学を出るのに補助職なんてもったいない、意味がわからない」という感じなんだけど、あぁ男の人の考えそうなことだなぁと(苦笑)

まず、勉強ができる=総合職、ではない。性格の向き不向きもある。総合職って前に前に出て行くタイプじゃないと厳しいと思うんだよね。こつこつ淡々と自分の仕事をこなすタイプの人は、優秀でも総合職には向かないんじゃないかと思う。なぜなら上司世代がバブル世代だったりモーレツ世代だったりしてこつこつやる人たちを「根暗」と馬鹿にしていた時代の人たちだから。

それに、最初から総合職という選択肢しかなく、極論仕事さえしていればいい男性と違って、女性の場合、就職したあとも、結婚=家事の増加、妊娠・出産・育児、介護と、参加プロジェクトが増え続ける。総合職をしながらこれらのイベントをオールクリアするには、丈夫な体と健康な家族と理解のある職場が必須。できれば実家のサポートも。なんという無理ゲー。
就職活動を始める前に自分のライフプランを冷静に考えると、総合職ではなく一般職を選ぶのもやむなしと思うのだが。
自分のことでいえば、きょうだいは専門職と公務員を目指していて、家には祖母と両親、独身の叔父叔母が3人。父はちょっと「難しい人」で一番相性がいいのが私。となったら、自分が一般職で淡々と勤めつつ将来は介護と墓じまい、という思考回路になる。将来を真剣に考えた故の選択肢だった。後悔はしていない。

あと、もう一つモヤッとした点は、行間に「一般職は偏差値の低い大学や非四大卒の能力の低いオンナノコがやる仕事」という、学歴差別と職種差別の両面が滲み出ていたからだと思う。書いた本人は無意識なのかもしれないけど、普段からそういう態度は出ているかもね。
蛇足だけど、一般職から評判の悪い人は、たいてい仕事が出来ない。
07月06日(木)
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