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カンゲキ★日記
by Ruby
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■◆《ゴールデンバレエofロシア》『天地創造』『カルメン』 チェルノブロフキナ、ガリムーリン、モスクワクラシックバレエ団 (04/07/18up)
このアロンソ版の『カルメン』は、以前インペリアル・ロシア・バレエ(ゲスト草刈民代)、東京バレエ団を観ておりましたが、だいぶ雰囲気が違っていて面白かったですよ。
最初、大きな牛の顔を描いた幕が下りていますが、それが上がると暗い舞台に照明が灯り、舞台中央でポーズを取っているカルメン=チェルノブロフキナの姿が浮かび上がります。
私の近くに座っていた方も、彼女をひと目見るなり、自然に感嘆の言葉を漏らしていました。最初から大輪の花のような個性に魅了されてしまいます。
カルメンは、ホセやエスカミーリョに対し、自ら目をつけ誘惑しますが、媚びたり、強引に陥落させるというより、彼女自身が自分の魅力を充分に知っていて、余裕を持って落とす感じ。
そんな魅力的なカルメンに、夢中になってしまうのはしょうがないでしょう。
カルメンと男達は、自然な成り行きで結ばれ、一気に最後の終息まで向かっていくように感じます。
チェルノブロフキナは、極端に激しい感情表現をせず、匂い立つような色香の中に颯爽としたところがあって、その上可愛げがある、たいへん小気味良いカルメンでした。
このような個性や表現は、努力して演じようとしても、なかなか出来るものではないですし、踊るべき人が踊った舞台を見てしまうと、似合う人以外での“カルメン役”は考えられなくなりそう。
対するホセ役のザバブーリンですが、これもまたカルメンに夢中になって翻弄される様子など、真面目な青年の情けない部分までよく出ていて、かなり味がありました。
最後に、「運命」に導かれるまま、カルメンを殺してしまうのですが、狂気を孕むというよりも、ふらふらと牛「運命」を追い、呆然とした意識の中で刺してしまうという感じ。
その時、自分の意思は存在せず、本当に運命によって、あのような終局を向かえてしまったというのが、よく伝わってきます。
前に見た「白鳥」の王子でも、優しく受身的な風味を醸しだしていて、人柄が良さそうな彼のパーソナリティーを今回も感じました。
隊長役のイオン・クローシュは、ビシッとキレのある動きで、とても印象に残りました。
リズムや音楽にピッタリ合っていましたし、脚の運びもきれい。かなり良いダンサーだと思います。
終始、隊長の踊り(振付)は、威厳を感じさせるもので、わざと機械人形のように滑らかさを消して、キッチリとした印象。ホセとは全く違う動きの対比が面白いですね。
エスカミーリョ役のスミレンスキーは、身長も高く、身体を活かした大きな踊りでしたが、彼ならではの優美さもあったように思います。
踊るとたいへん迫力がありますし、何ともいえない気品もある。“いかにも”という感じのしない、ちょっと不思議なエスカミーリョでした。
運命(牛)役は全身タイツに特殊なメイクを施すというインパクトある姿で現れます。
カルメン・ホセ・エスカミーリョ、隊長に、文字通り絡みつき、悲劇へと導く役。
この役を踊ったのはクラピーヴィナ。
以前見たときは愛らしい容姿と誌的な表現で、良いダンサーだなと思っていました。
でも今回の運命役は、なぜか思ったより印象が薄かったですね。
もう少し冷たく硬質に踊った方が良かったように思います。
衣装はなかなか素敵でした。シチェドリンの音楽自体も、リズム楽器を多用し、活き活きとして素晴らしい。テープなのが残念です。
素晴らしい踊り手達によって、プリセツカヤさんの大切な作品「カルメン」が見事に受け継がれている。ご本人もきっと嬉しく思っていらっしゃるでしょう。
07月10日(土)
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