ID:15636
つらつらきまま
by seri
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■3・11
乗り込んでみると、行列から抜けた人達がいたため、なんとか後部座席に2人座ることが出来た。
乗客の大半は池袋まで行くつもりのようで、池袋まで行ってしばらく待てば電車もじきに動くだろうと予想し合っていた。
まさかJRは終日運転見合わせ、私鉄・地下鉄も21時頃から一部路線で徐々に運行再開、ということになるとは殆どの人が予想していなかった。
途中のバス停には大勢並んでいたが、バスは既に満員のため、停留所にはなかなか止まらなかった。
この行列を見たら、池袋まで行っても渋谷行きのバスには乗ることが難しいように思えた。
うまいこと渋谷まで乗ることが出来ても、ライブが行われるかどうか分からないし、ライブが行われたにしても帰りの足の確保が危うい。
このバスは私の自宅の最寄りに停まるため、ライブを諦めてそこで降りた方が賢明のような気がし、父に提案した。
父もその方が良いだろうということで、終点まで行かず、自宅最寄りのバス停で降りることにした。
降りる予定のバス停に着いた。
ここは私の家の最寄り駅の一つ隣の駅の近くだが、普段の時間帯だと見かけないほど大勢の人が歩いていた。
今から歩いて自宅に向かう人たちだった。
駅近くのスーパーで買い物をしようと思ったが、2軒あるうちの1軒は臨時閉店をしていた。
開いている1軒は、泊まり込み用の食材を買いに来た人達がカップラーメンや菓子パンなどを買い込んでいた。
まだこの時点では水もあったし、パンや乾電池もあった。
出来あいの総菜と米、水、お茶、カップうどんを買い、自宅に着いたが、エレベーターが反応しないため、非常階段を使う。
自宅のドアを開けて、まず目に入ったのは、棚の上から落ちたフライパンとふただった。
お風呂場ではシャンプーやボディソープを入れているラックが倒れていた。
居室では、3つある本棚のうち、無事だったのは1つだけだった。
転倒防止器具をつけていた本棚は倒れなかったものの、棚板が落ちたため、書籍も床に散らばっていた。
スライド式のキャスターがついているため転倒防止器具をつけていなかった本棚は、テレビにもたれるように倒れていた。
倒れる際にキャスターが壁に当たったようで、石膏ボードが剥がれていた。
壁にぴったりとつけていたローチェストは30cmほど前に移動していて、今回の地震の凄さを最も感じた。
家にいたら恐怖のあまり動けなかったと思う。
倒れている本棚を片付けようとしたが、元のように立てかけるのは危険だし怖かったので、暫定的に横倒しにした。
部屋の片付け作業をしていたら、緊急地震速報が鳴ったり、余震があったりしたので、その度に携帯を片手にドアを開けに行った。
やっと大まかに片付いたものの、とても料理をする気力が湧かなかったので、炊きあがったご飯をおにぎりにし、先ほど買った総菜と買い置きをしていたさば味噌煮の缶詰で遅めの夕食にした。
お風呂も入る気がしなかった。
怖くてとても今日は眠れないと父に言うと、横になって目を瞑ってるだけでも違うから、と横になることを勧められた。
布団を敷かず、こたつに外出着のまま潜った。
ヘルメットが無いため、クッションを頭の周りに敷き詰めた。
電気はいつも真っ暗にしていたが、今日は二色光にした。
NHKの震災特番も点けたままにした。
携帯も放さないようにした。
午前1時ごろに寝た気がするが、午前4時ごろに緊急地震速報が鳴り飛び起きた。
眠ってても緊張したままだったのか、携帯は握りしめたままだった。
03月25日(金)
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