ID:15636
つらつらきまま
by seri
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■お盆持ってたらコケてたわ!
 その場に水が入ったコップとお盆があったら、それはそれは、ハリガネの漫才ばりにお盆を持ったままズル〜ッとコケて、水をバシャ〜ッとかぶっていただろう。
 惚れ惚れするようなコケをしていた自信がある。

 「え〜っ!?」と私が思わず発すると、主任は 
 「だからね、私聞いたの。
 『せりが慣れてないのを知っていて、どうしてあなたはマニュアルのことを教えなかったんですか?』って。
 そしたら、『知ってると思ったんです』って。
 言い訳はすぐ出るのよね。謝りはしなくても」と、こちらもため息をつく。

 そしてその後も、私やミカコさんについて、見事に事実と180度違う報告をヤマダさんが主任に数々していたことを知った時は、もう笑うしかなかった。
 特に私に対する報告のねじまげ度具合は、もうあっぱれというしかない。
 それにしても、会社にいる8、9時間程度の付き合いしかないヤマダさんにどうして私がそこまで恨まれなきゃいけないのか、かなりの謎だ。
 何かがものすごく気に食わないんだろうな。
 8、9時間という、睡眠時間程度の付き合いしか無い人にそこまで嫌われる私って。
 そこまで嫌えるヤマダさんって。


 
ヤマダさんがすっとこどっこいであるから、私の仕事ぶりに関する主任の考えを聞けたし、私の考えを主任に伝える機会が持てた。

 そんなことが前夜行われたことをおくびにも出さず、私も主任も明日出社する。

 私は嘘を平気で吐ける。

 明らかに妙ちきりんな言いがかりとしか思えない叱責をするヤマダさんの前でしおらしい態度を取ることも出来るし、ネチネチとした嫌味を昼ごはんの間、ずーっと言われても、堪えてないフリを取ることも出来る。
 私がヤマダさんの言うことをおとなしく聞いていれば、ヤマダさんはそれで満足する。

 だけど、ヤマダさん1人が乗ったエレベーターが下ったのを見計らった途端、別れ際笑顔でしおらしく見送っていた筈の小娘が、

 (何か起きたらエエねん)
 とばかりに、エレベーターを音が立たない程度に蹴っ飛ばしていることをヤマダさんは知らない、恐らく。

主任やシロタさんや社内の人は言うに及ばず、社外の人でも、尊敬できる人の仕事ぶりを必死で取り入れて自分のものにしていき、いつか「エレベーターの扉」なんて間接的なものではなく、「社内のヤマダさんの立場」そのものを蹴っ飛ばすことが2004年の私の野望。 

 
 

01月20日(火)
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