ID:1488
頑張る40代!plus
by しろげしんた
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■血なまぐさい話
救急隊がポケットを探っていたが見つからない。
「ないよ!」と履き捨てるように言った。
ぼくはムッとして、「ちゃんと左のポケットに入れた。ちゃんと探して下さい」と言った。
おっさんを救急車に乗せたあとに、ポケットの中からその鍵が出てきたが、役には立たなかったようだ。
救急車が出発してしばらくしてから、警察がやってきた。
ぼくたちが血や小便の後始末をしようとすると、「現場検証が終わるまで、そのままにしておいてください」と言った。
それにしても、すごい血である。
あんな大量の血を見たのは、ぼくが高校の頃に鼻血を出した時以来だ。
まあ、頭の傷だから大げさに出血するのかもしれないけど。
そのうち店長が来て、「もう、売場に戻っていいよ」と言った。
閉店後、事務所に行くと、大量の「清め塩」が置いてあった。
血や小便は、そのままにしているらしかった。
明日掃除して、塩をまくとのこと。
ぼくが「あのおっさん、死んだんですか?」と聞くと、店長は「いや、死んでない」と言った。
ただ、頭蓋骨が陥没していたらしく、くも膜下状態だということだった。
原因はいまだに不明だが、おっさんは酒気帯び運転でうちの店まで来たということだった。
おそらく、こういうことだと思う。
駐車場に車を停めて、靴をサンダルに履き替え外に出たおっさんは、寒さと酔いのために急に小便がしたくなり、車の後ろで立小便をした。
そのあとで、店に行こうとしたが、何かの拍子に転んでしまい、車止めで頭をしたたか打ってしまった。
顔には何も外傷がなかったから、殴られて倒れたわけでもないだろう。
要はただの事故だったわけだ。
しかし、あれだけの血を見ても、ぼくは少しも動揺しなかった。
しかも、そのあとに食事をしたのだが、今日はいつもより弁当がおいしく感じた。
以前なら、気分が悪くなって、弁当も残していただろう。
おそらく、精神的に成長したか、不感症になったかのどちらかであろう。
01月06日(日)
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