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えびたま
by くにひた
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■鳥御前の能力に意味はあったのか
月曜日に観た「100分で名著」の「共同幻想論」の
解説が面白く、大典に話していたら
ミニ典がいつの間にか寝てしまってた。
「マツコをみる!!」と意気込んでたのに。

思想家の吉本隆明の「共同幻想論」は
ある世代ではマストな本だったらしけど
全く知らなかった。
神話や遠野物語を例に出し、
「なぜそのストーリーが生まれたか」から
そのコミニティがどいうものだったかが読み解ける。
遠野物語の一つのエピソードで
鳥を自由に操れる「鳥御前」と呼ばれる男が
山の中で出会った、赤い顔をした男女にいきなり斬りかかり
身をかわされて、逆に谷底に蹴り落とされてしまう。
近所の人に助けられるけど、「自分はこのために死ぬ」と言い、
実際3日後に死んでしまう。
その後村を通りかかった山伏にこの話を村人が聞かせると
「赤ら顔の男女は山の神で、その遊びを邪魔したために
鳥御前は死んだのだろう」と言われる。

なんかオチがあるんだかないんだか
「赤い顔の男女」が妙に怖いし、いきなり斬りかかる鳥御前も
意味がわからない。
なんだこの話?と思って聴いてたら
この事件を「山神のタタリ」と意味づけすることで
その村の人々の共同幻想として
「鳥御前の死」を受け入れることができる、ということらし。

なんか面白い。
今、益岡礼智が書いている脚本に通じるところがある気がする。
「共同幻想論」は古い本のよなので、図書館の検索で探したら
仙台市内では市民図書館にしか置いてなくて
貸出中だった。
その人も「100分で名著」を観たに違いない。
07月14日(火)
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