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えびたま
by くにひた
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■運転して映画を観にいく
夕方、大典とミニ典が車検に出してたクルマで
戻ってくるのを待って、
今度はわたしが仙台フォーラムへ出発。

コロナ騒動が始まってから最後に映画館に行ったのは
多分「プリズン・サークル」以来。
記録を見ると3月の下旬。

「つつんで、ひらいて」を観る。
装幀家である菊地信義氏を追ったドキュメンタリ。
銀座のどこかにある仕事場で、
本のカバーのデザインをこしらえる。
手書きでレイアウトを決めたり、
トレースの機械で手動でフォントを拡大したり
極めてアナログにデザインを描いた後、
デジタルに置き換えるのは、長年組んでいるアシスタントさん。

製本する工場の映像もある。
本が次々に組み立てられてゆき、
カバーと帯がかけられて書店に並ぶ本が出来上がる。
ずっと観てられる。

高校時代の友人愛しのハニーは、やはり装幀家。
本をデザインする人になりたいのだと、話を聞いたとき
そんな職業があったのか!!と単純に驚いた。
考えてみれば、あるよね。そりゃそーよね。と思ったが
わたし自身は考えたこともなかった。
本は大好きだけど、この人の「大好き」は、わたしなどとは
次元が違うのだ、と思った。

映画の中でも、注文した紙の質感に子供のよにはしゃぐ大御所。
「紙が好きな人」や「布が好きな人」がいるな、と
気づいたのも大人になってからだった。
そいうひとを観ているのが好きだ。
自分では思いもよらないものに、紙や布が変身していくのが目撃できる。

映画を観ている間中、ハニーの影を追っていた。
どっかで出てくるんじゃないかと思って。
でも出てこなかった。代わりにパンフにコメント書いてた。すごい。

大御所の話を聞きながら、演出のことを考えた。
装幀は本の演出なのだろな。
お芝居を演出するとき、考えることと似ている、と思った。
お芝居を早く作りたいなという気分になる。

日曜日の最後の上演ということでか
観客はわたし一人だった。
なんという贅沢。
でもなんか端っこよりの席で観ちゃった。
05月24日(日)
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