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抱茎亭日乗
by エムサク
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■新座,東久留米『みちわ寿司』,『ありあけ』,『ご近所』Nさん
急遽、外壁塗装詐欺にあってるかもしれない新座の実家に行くことになる。
母が東久留米駅まで迎えに来てくれる。
17時半頃着くと今日の作業は終わって誰もいなかった。
暫くしてHさんが来る。白髪、スーツ、笑顔。
開口一番「私は決して悪い人ではありません。どうぞ安心して下さい」。
「悪い人は『悪い人です』とは言いません。安心してと言われても、母もちゃんと説明してくれないので心配です」と私。
いろいろ話を聞く。「会えばわかる」「絶対大丈夫」「信用してる」と母が言うのも理解できた。
本当に昔気質の職人で、曲がったことが大嫌い、お客さんと家族と地域のために働くことが喜びだ、という棟梁。
東久留米で50年働いているという。芸術家やスポーツ選手や有名人の家も塗ったとか。
一度塗って19年経っても塗り直してない家もあるとか。
「そんな立派なお方が、なんで我が家を?」と質問。
「それが出会いなんです」
母が、やっと出会いの経緯を話してくれる。それはまさに偶然で、グッドタイミングで、さすが母という感じ。
「何で言わないのよ?」
「Hさんと二人だけの秘密にしておきたかったの」
何を言ってんだ、この人は。
Hさん馴染みの『みちわ寿司』でお寿司をご馳走になる。実家近くにこんなに美味しい寿司屋があったとは。
人の悪口を言わないとか人に悪口を言われても気にするなとかいう話をしていたら、「おお!」「あら!」と声をあげるHさんと母。
実家に来ている、Hさんの若い衆が女性連れで現れる。
「奥さん、前に会ったことあるのよ。あんたと同じ中学だって」と母。
「卓球部でしたよね?」と若い衆の奥さん。
「え?私の事知ってるの?卓球部だったんですか?」
随分年下に見えたのだが…、あれ?はっ!あれは一つ下の?
そうだった。卓球部の1つ後輩のなんとかさん!
「思い出しました!そうなの?あの当時はゴメンナサイ。申し訳ありません」と平謝り。奥さんは笑っていた。
私は卓球は全く下手くそなくせに後輩イジメばっかりしていた、ろくでもない先輩なのだった。
口封じ(いや、結婚祝い)にお酒でも奢らねば、と思うがここはHさんの仕切りであり、どうしたものかと思っていたらHさんが「何飲んでんだ?じゃあもう一杯ずつ飲め」と2人にご馳走している。
出る時に「本当にあの頃は酷いことばかりして、ごめんね。内緒にしてね。お幸せに、元気でね」と挨拶。
ああびっくりした。
カラオケ好きのHさんに付き合って『ありあけ』というスナック。
ここでも実家に来ている職人さんが何人か飲んでいた。
母はHさんとダンス、職人さんとデュエット。楽しそうでよござんした。
タクシーで東久留米駅まで送ってもらって帰る。
私もHさんは信用できると思った。新座御殿のお色直し、出来上がりが楽しみだ。
23時半近く、池袋に着いたら『ご近所』のNさんから電話。
先日「築地で働いてます」とメールしても無反応だったから、間違い電話かと思った。
「間違いじゃないよ、飲まない?浅草橋で」
「今から浅草橋?」
「うちに来ればいいじゃん」
「行かない」
「何で?おいでよ。猫もいるよ」
「尚更行かない」
「そっか。猫駄目なんだ」
「駄目」
「じゃあね」
「バイバイ」
そして
> メールできる?
「はい。」
以上終わり。ってなんなんだ?面倒臭くなったのか?
06月11日(土)
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