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抱茎亭日乗
by エムサク
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■慶應義塾大学病院,映画『CHARON』試写会&記者会見in日本外国特派員協会,PC解決
日本の映画人はそのほとんどが反抗しないし挑戦もしない。映画を作るのはそれほど難しいことではない。しかし配給が完成した作品を買わない。何故か外国産映画は高い金で買う。
それは香港でも感じた。香港の映画人は日本を「いいマーケット」という。これは何でも買うからという意味である。だから『カロン』は日本語の映画ではあるが、世界のハンコがあれば買うだろうと思って世界配給を目指した。その意味でこのプレヴュウはチャレンジといえる。応援してほしい。」
川本淳市さん「この映画に登場するのは娼婦とギャングと作家で、世界のどこにでもある職業であるが、一番寂しい職業でもある。人とのかかわりを避ける人がちょっと触れたりすることで変わるというようなことを描いているのではないか。
この映画はわからない部分も多い。思いや気持を押しつけない優しい映画になっている。見た後にいろいろと話し合ってくれたら嬉しい。
地元で撮った映画だから応援するとか世界映画だから応援するという地域の力を感じた。」
イタリア人記者の質問「世界で注目されている日本の映画監督は日本で評価される前に皆海外に出ているのはなぜ?日本は世界を経由したものなら評価をするのはなぜ?日本政府は映画を支援しないのか?」
玄さん「逆輸入なら受け入れるのは、日本人が自分で決められないからだ。日本の映画監督が皆海外に出たいのではなく、価値を求めたら海外に出ちゃった、ということ」
「日本政府は黒沢明が死んだときに『国民栄誉賞を検討する』と言った。イタリアでフェリーニが死んだら国葬だろう。失望した。」
「形式的には文化庁で映画作りの資金援助をしている。しかしその条件というのは1億円を集めた映画に対し3千万円を出すというもので、1億円集めることができるものに3千万円を出すよりも、5百万円しかないのものに出すべきではないか。
結局個人の作り手ではなく大手映画会社を援助している。文化庁と映画会社は裏でつながっているが、表面上映画づくりを支援している形を整えている」
他に「映像と言葉」「アジア的イメージ」についての質問など、深い濃い話いろいろ。
「バーで続きを」とのことで、予定の時間を随分オーバーして終わったようだった。知っている人たちに挨拶。
玄さんが「来れば?」と言ってくれたのでバーに紛れ込む。
「めったに入れないところだからね」「はい、興味津々です」と入ってみれば、外国の古いホテルのバーのような雰囲気。各国のジャーナリストやマスコミ人で賑わっている。
外国メディアの人たちや映画関係者に混じってお話。
オランダの新聞記者ハンスさんに「何しているんですか?」と聞かれたので「高橋玄さんのおっかけです」と答える。
「オッカケ?何ですか?」
「えーっと、グルーピーです」
「はあ…」
「冗談ですよ」
宮崎学さんの集まりでもハンスさんを何回か見たことがある、という話をしたら、日暮里在住で檸檬屋のことを知っていた。
会見で『カロン』を「ファンタスティック!」と言って、興奮気味に質問をしていた可愛らしい女性に名刺をもらう。
オーストラリアの雑誌に記事を書いているライターで、ドラマ『24』のジャック・バウアーの同僚ニーナに雰囲気が似ている。
歯の矯正でブリッジを今日初めてつけたとかで、「ものすごく痛い」と言いながら、映画の話いろいろ。
玄さんの隣に座ったイタリア人記者はいろんなものを注文し次々平らげながら、スタッフと会話し、玄さんと東京ガスとの喧嘩話に笑い、映画『鉄男』をイタリアでブレイクさせたエピソードを語り、大変エネルギッシュな人だった。後で聞いたら日本外国特派員協会の副会長とのこと。
隣のテーブルには警察と戦うジャーナリスト寺澤有さん。初めて挨拶をする。
「私、前に寺澤さんと会いたいって今井亮一さんに言って合コンしましょう、って話になったんです。立ち消えてますが」
「ああ、そんな話ありましたねえ!覚えてますよ。そうですか。で、なんで合資会社?」
と私の名刺を見て質問される。
「何か肩書きが欲しかったのと勉強のために」
「役に立ってんですか?」
「いえ、特に」
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11月09日(火)
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