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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■夏の終わりの小さな花火
 こないだ満杯の女性客で見損ねていた『誰も知らない』、今日こそは見ようと、鴉丸嬢を誘って、朝の第1回目を狙って、開場の30分前にシネリーブル博多駅の前に並ぶ。でも既にシャッターの前には、学生らしき3人組、何人かの女性客などが陣取っていたのであった。徹夜組まではいなかったと思うけれど、それにしてもみんな熱心なことである。いくらカンヌで有名になったからと言って、それがヒットに直結するものでもないから、これはやはり作品の持っている力、役者たちの魅力に負うところが大きいのだろうな、と想像する。
 開場と同時に客が雪崩れこんでいき、開演10分前には満席、パイプ椅子が出されるほどの盛況。しげ、「この映画館がこんなに満杯になったの初めて見た」と感嘆。確かに小さな映画館で、収容人数は150人ほどだろうが、それにしても平日休日を問わずいつ来ても満杯というのはやはり大ヒットである。シネ・リーブルのように、いかにもオタク御用達といった感じのミニシアターはぜひ存続していってほしいので、こういうヒットが時々はあってくれないと困る。多少の混雑はガマンしようというもの。
 映画はリアルな描写を重ねながらも全体としては一篇のファンタジー。親に見捨てられた子供が自活していた、という現実の事件を元にしてはいるけれども、それを理想的に見えるほどに描いている。なんだこれ、「ユートピアだな」と思って、後でパンフを見てみら、監督自身、そう書いていた。なんだか川原泉の『夢だっていいじゃない』を連想したことである。
 しげと鴉丸嬢は、見終わって二人で「もうちょっと波瀾があったほうがなあ」とか言ってたが、つまりそれは「もう、一人二人死んでたら」ということである。なかなか派手好みなことであるが(そう表現していいものかどうか疑問はあるが)、これはタイトル通り「誰も知らない」物語だから、事件そのものは殆ど必要としていない話なのだ。逆にもっとドラマ的な要素は排除してもいいくらいのもので、こういう「静かな映画」もたまにはいいものだと思う。でも、そういうことを言うと、しげから「アンタ、ホントにお坊ちゃんだね」と言われてしまうのである(~_~;)。
 「やっぱ、ガスの集金人が来たら声を潜めるのは基本だよね」とか二人で頷きあってるけど、子供のころ、どういう生活してきたのかね、君たちは。

 映画のあと、「ダイソー」で芝居の小道具を買い込む。これのためにここ何ヶ月か、メンバーでチビチビと貯金をしてきていたのだが、まあまあおカネが溜まっていたので、かなりな数の小道具が買えた。うちの劇団、一応、毎月劇団費を回収することになってはいるのだけれど、実際には殆ど支払われたためしがない。練習に参加したときに、「ジュース一杯飲んだつもりになって」貯金箱に百円入れる、という形式に変えたら、ちゃんとおカネが溜まるようになったのである。払った金額に個人差はあったと思うが、こちらの方が劇団運営としてはスムーズにいった結果になったわけで、つくづく「強制」ということがキライな連中が集まっているのだな、と感心するやら苦笑するやら。

 一旦、帰宅、荷物を部屋に運びこむ。夜、其ノ他君の仕事が終わるのを待って、「夏の思い出(^o^)」に花火をする予定なので、それまでは時間潰し。私は疲れて仮眠を取るが(つか、買ったばかりのDVD『ケロロ軍曹』第1巻見てたら落ちた)、しげと鴉丸嬢はパソコン使ってなにかパコパコやってたようだ。

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08月28日(土)
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