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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■『イノセンス』カンヌ上映。
 今日はしげが知り合いの劇団のお手伝いで一日いない。
 解放されたような、ちょっと寂しいような。おっと、「ちょっと」だけじゃ、しげの機嫌が悪くなりそうなので「すごく」と言っとこう、一応(^_^;)。

 銀行に寄ったりと私用がいろいろとあったので、仕事を半ドンで終えて、博多駅まで出る。
 銀行でお金を卸して、郵便局で振り込み。これは七月にある『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー』のチケットを買うため。コメディ作家、レイ・クーニーの代表作、『パパ・アイ・ラヴ・ユー』の改題(というか、原題に戻したもの)、再演。キャストは上川隆也・羽田美智子・濱田マリ・綾田俊樹。舞台役者としてはどんなものなのかよく知らないが、ともかくクーニーの芝居をいっぺんこの目で見てみたかったというのが動機である。……考えてみたら、ニール・サイモンだって、台本で読むかテレビで見てるばかりで、ナマの舞台を見たことってないのである。仮にも芝居の台本書いてる人間が年に10本程度しか芝居を見にいってないってのは恥ずかしい限りなのだが、先立つものと相談したら、これが精一杯なのである。

 そのあとキャナルシティまで歩いていって、AMCで今日が最終日の『フォーチュン・クッキー』を見る。2週間で打ち切りというのはちょっと早い気がするが、オリジナルの『フリーキー・フライデー』は輸入すらされなかった(テレビ放映のみ)から、見られただけまだマシか。客は私の他にカップルがひと組だけ。なんだか二人きりの空間を邪魔したみたいでちょっと心苦しい。映画は母と娘の入れ替わりものだが、オリジナル版よりずっと脚本が練られていて、現代的になっているのがミソ。

 もう一本、夜、映画を見る予定なので、本屋を2、3軒、回ったりして時間をつぶす。
 紀伊國屋で予約しておいたDVDを購入。買おう買おうと思ってなかなか手が出ないでいた講談社の「ミステリーランド」シリーズをまとめて買う。有栖川有栖、小野不由美、島田荘司、高田崇史、竹本健治、西澤保彦、森博嗣といった当代第1線のミステリ作家達が、少年向けにミステリーを執筆していくもの。まさに江戸川乱歩の少年探偵シリーズ再び、という企画で、青少年の活字離れ云々に対して、出版社が具体的な対応策を考えている嬉しい例である。……できれば角川あたりが、昔の文庫版ジュブナイルシリーズを復活させてくれたらもっと嬉しいんだけどねえ。

 夜、シネ・リーブル博多駅で5周年記念「怪奇幻想文学秘宝館」シリーズの最終回『江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間』を見る。前に見てるやつではあるが、こういうサベツ問題にひっかかってるせいで、ビデオソフト化が見込めない映画は、上映の機会があるたびに見ておきたいのである。「知ってる人は知ってる」映画だから、100人ほどしか入らない会場が満席どころかパイプ椅子の増設に立見まで出る大盛況。私と同じく、必ずしも初見の人ばかりではないのだろう、随所にある爆笑シーンにも、場内、それほど笑いは起こらない。
 私はといえば、確かに最初見た時にはその驚きの「作り」に呆気に取られたのだが、二度目となるとかえって石井監督の乱歩に対する思いの方が胸を打って、とても笑って見てなどいられない。つか、また泣いてるし。なんだかもう、涙腺がゆるみっぱなしなのである。

 映画が終わって、バスがもうなくなっていたので、しげに連絡を入れて迎えに来てもらう。一日歩きっぱなしで、さすがに家まで1時間半かけて歩いて帰る気にはならなかった。しげも一日お手伝いで疲れ切っていたのだろう。
 「『理由』を見て寝る」と言って、DVDをかけて見始めたのだが、数分もしないうちにイビキをかき始めた。昨日一昨日もこんな調子だったし、しげが『理由』を見られるのはいつの日になるのだろうか。

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05月21日(金)
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