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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■マヌケな人々/『二葉亭四迷の明治四十一年』(関川夏央)/映画『山の音』/『住めば都のコスモス荘』1・2巻(阿智太郎・矢上裕)
 まずは小ネタを一つ。阪神タイガースの優勝が目前に迫り、ケンタッキー・フライド・チキンが、カーネル・サンダースおじさんの人形を一時的に避難させようか検討中だとか。前回優勝の昭和60年には、大阪のミナミで、熱狂したファンが人形をバースに見立てて胴上げし、道頓堀川に投げ込んだことがあったから。
 けど、サンダースおじさんだけ避難させても、どうせ他の何かを盗んで放り投げたり、自分から飛び込むバカはいると思うけどな。かと言って、投げ込み用人形をフーセンか何かで作ったって、お膳立てされたものにはファンは乗らないだろうし。つか、警察総動員して治安に当たれよ。「熱狂的なファン」と言ってゴマカされてるけど、あいつらただの犯罪者なんだから。
 いえ、私は別に巨人ファンではありません(^o^)。


 今日、静岡県沼津市で、盗み目的で閉店間際の書店に入った男が、シャッターを閉められて外に出られなくなり、タイホされるというマヌケな事件あり(^o^)。
 犯人の24歳の男は、29日の午後11時過ぎに、客のフリをして本屋に入りこみ、店員に気づかれないように、本棚の陰に隠れて、閉店になってシャッターが下ろされたあと、レジの中をあさった。と、ここまではよかったのだが、外に出ようと思った時になって初めて脱出方法がないことに気が付いたんだって。ここまででも充分間抜けなんだが、それからあとがまた情けない。
 犯人はそれから悪戦苦闘、店内は真っ暗で窓もない。シャッターは内側から開けられない仕組みになっていて、強引に開けようとしたけれど歯が立たない。ついには素手で天井を40センチほど叩き割ったけれど(本棚の上にでも登ったのかな)、そこからも脱出できないことが分かって、携帯電話を使って友人に助けを求めたとか。
 30日の午前3時ごろ、ようやくシャッターは開いたけれど、待っていたのは警察官。あえなく御用となりました。
 うーんと、ミステリに腐るほど書かれてきてる密室トリックだけどさあ、扉が開くのを待って入ってきた人に紛れて出て行くっていうのがあるよねえ。実際には成功率は低いと思うけど、友達にSOS送ってタイホされちゃうより、一か八か朝まで待って、客に紛れてさりげなく出てくって手は考えつかなかったのかねえ。閉店時に店員に気づかれないくらい広い本屋だったんなら、それも可能だったろうに。
 仮に朝方店員に見つかったとしても、おカネはレジに戻しときゃ、「アパート追い出されて夜寝るところがなかったから」とかホームレスのフリをして同情を買うとかしていくらでも誤魔化しようがあると思うんだが。
 ちなみにレジん中のおカネ、とっくに金庫に仕舞われてて小銭しか残ってなかったそうである。とことん下調べしないで泥棒に入ったんだね(~ー~;)。
 24歳で既に脳みそとろけだしてるような事件で、まあ、笑うしかないんだけど、もうちょっと世間を唸らせるような知能的な犯罪は起こらんものか。いやね、別に犯罪を奨励してるんじゃなくて、犯罪者が知恵をふりしぼらないと成功しないってことは、つまりそれだけ警察が優秀で、治安がいいってことなんだから。マヌケな犯罪でもそれ以上に警察がマヌケだったら、成功しちゃうんだよ。実際犯罪検挙率、最近は相当低くなってるじゃないの。
 逆説を弄するつもりはないけど、事件が起きるなら起きるで、もちっとアタマのいいものが起きてくれないと困るのである。
 一昔前に比べたら知能犯って随分減った気がしないかな。12歳の事件も(アレだって犯人がただのバカガキだから逮捕されているのだ)、「こんな事件は昔はなかった」というのは、「こんなマヌケな事件は昔はそんなに多くなかった」という意味でならそうかもね。


 しげ、ついに車を買う決心をして、なんかパンフを持って来た。
 「ねえねえ、どれがいいと思う?」とか聞かれても、私は何だっていいので返答に困る。頭金だけ出して、と頼まれたので、ナケナシの貯金をはたく。本とDVD買いまくってても、借金だけはしないで来てたのだが、これで我が家もローン生活だ。でもこれで出費をなかなか控えられないのがオタクのツライとこなんである。


 関川夏央『二葉亭四迷の明治四十一年』(文春文庫・620円)。

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07月30日(水)
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