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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■追い込み日記/懐かしの男
 職場への交通手段が変更になったので、通勤手当を支給してもらう関係から、新しく書類を書かねばならなくなった。これが実に面倒臭いのである。
 経路と交通手段と交通費を書かなければならないのはわかるのだが、いちいち地図を添付しなきゃならんのはどういうわけだ。しかも往路と復路では道が違ってるので、2枚も書かねばならないのである。
 でもって、苦労して書き上げた地図を持って、私が総務に持っていこうとしたと思いねえ。ところが、突然私は尿意を催した。昔の手術の失敗以来、私の括約筋はゆるんでいる。長くは持たないのだ。慌ててトイレに飛び込んで思う存分に放水。その間地図は口にくわえている。
 事件はそのとき起こった。
 私の目の前をコバエが飛んだのである。
 思わず私は口を開けた。ハラハラと舞い落ちる地図。一枚が見事に金魚鉢の中に……。
 私は贅沢は嫌いだ。日頃から節約を旨として生活している。紙一枚とてムダにしたくはないのだ。しかも極めて鷹揚なココロの持ち主で、細かいことには拘らないときている。
 そんな私が、添付すべき地図が「ちょっと」汚れたからと言って、わざわざ書きなおしたりコピーを取ったりできるだろうか。否である。
 というわけで乾かしてそのまま書類に添付しました。シワは糊付けしたときにできたものということで。
 ああ、なんてモノを大事にする私♪


 CS日本映画専門チャンネルで『あんみつ姫 甘辛城の巻/妖術競べの巻』、再見。昔はヘチャだと思ってたけど、こうして見ると雪村いずみもかわいいなあ。
 続けてアニメ版『おしん』。公開当時は「こんなもんアニメにしてどうする」と思って劇場までは足を運ばなかったんだけど、アニメとしてはムダに出来がいいんだよねえ。
 『柔の星』。主演が桜木健一でライバルが近藤正臣の柔道もの、と言えばどう見たって『柔道一直線』の映画化なんだけれど、権利が取れなかったのか原作に梶原一騎の名前はなし。それでも何とかテレビの人気番組にあやかって映画館に客を寄せようとする映画界のイジマシさ、このころからあったのだよなあ。それが逆に映画の斜陽を呼んだではないのかね。


 しばらく会ってなかった知り合いから電話がかかる。
 昔、その人が事件を起こして裁判沙汰になったときに、知り合い代表ということで私が弁護に立つことになったのだが、なんでよりによって引っ込み思案で寡黙な私に弁護を頼むかなあと思いつつ、慣れぬ熱弁を振るったのである。それが少しは効を奏したのか、判決は情状酌量のつく寛大なもの。当時は随分感謝されたものだが、それから当人は真面目に働くようになって、結婚もして子供も2人、元気でがんばっている(だから私は「一度事件を起こした者が更生するのは難しいという説は取らない)。
 電話は「今度3人目が生まれます」という報告で、今もこうして昔の縁を思い出して電話をくれるのが嬉しい。で、私の知り合いだからやはりオタクである。ひとしきり最近のテレビアニメの話なんかをする。「『ガッシュ』はいいでしょ」「作画がイマイチじゃないか?」程度の他愛ないもの。
 「また遊びに来いよ」と誘ったが、お互い忙しくてなかなか時間が取りにくいのが残念である。
05月30日(金)
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