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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■吉野作造と鞍馬天狗/『トリック・ザ・コミック』(堤幸彦・蒔田光治・林誠人・西川淳)/『トラマガ』vol.2ほか
 母の命日であるが、父からは何の連絡もない。
 どっちにしろ仕事がビッチリと詰まってて、墓参りに行く時間とてないが。
 どうせ偏屈な父のことだから、あとになって「この親不幸もんが」と文句を言ってくることは予想がつくのだが、だからと言って7回忌も終わったのに私がやることなんて今更何もないのである。

 晩飯は久しぶりに「王将」。
 酢豚がフェアで100円引きということだったのでもちろんそれを頼む。それだけでは物足りなかったので、エビの唐揚げも。いや、ふたつ合わせてもたいした量じゃないのよ。この店、「安さ」が取り柄なんだから。
 しげはセット+私の皿のピンはね。自分が頼んだ餃子は「気分が悪い」とか言って食べない。結局エビはほとんど食われた。……だったら最初からエビ注文しろよ。何でこの世にはこうもエビに執着する女が多いのか。

 この店、こないだから窓際の棚のところになぜか仮面ライダー1号だの龍騎だのガンダムだのザクレロ(渋いなあ)だののフィギュアが置かれてるのだけれど、それがどんどんあちこちに増殖していて、トイレやレジのところにまで侵食しつつあるのである。……誰か作ってるやついるな。店長か? この「王将」とオタクフィギュアとのミスマッチがなんとも言えないムードを醸し出しているのだが、意外とそんな店、探せばもっとあるような気がする。
 みなさんのご近所にもヘンなもの飾ってる店ってありませんか?
 

 マンガ、堤幸彦監修・蒔田光治/林誠人原作・西川淳漫画『TRICK THE COMIC トリック・ザ・コミック』(角川書店・588円)。
 テレビ第一シリーズの中から『母の泉』『パントマイムで人を殺す女』『千里眼の男』をピックアップして漫画化。だも多分、続編が描かれることはなかろう(^_^;)。
 しかしおっそろしく下手な絵だなあ。
 いや、ヘタというよりなんか汚い印象だねえ、コマ割りはゴチャゴチャしてて見難いし、ひとコマひとコマの構図も不安定だし、そりゃなぜかって言うと透視法が全然できてないせいだし(基本なのにな)、キャラクターもドギツイのばっかで特に上田の顔なんか、歪みまくっててコマごとに違うし。コマによっては一所懸命阿部寛に似せようとしたところもあって、健気なんだけど。
 でもここまでヘタだとかえって愛着がわくような錯覚を覚えちゃうからフシギだ。とりあえず小説読むのはカッタルイ、ビデオはいつもレンタル中って人はこれでも読んでみたら? 特に得はさせませんが。


 なんとなく買ってしまった雑誌、『トラマガ』vol.2(インフォレスト・690円)。
 表紙の『ガンバ!』のタイトル文字(なんと誌名よりデカイ)につい惹かれちゃったせいだけれど、中身は斎藤惇夫の原作を忠実にコミック化するというのだから、これはもう、期待するな、というほうが無理な話だ。
 アニメ版で7匹に絞りこまれた(これも『七人の侍』を意識してるのだね)キャラクターを原作通りに戻す。
 つまり、ガンバ、イカサマ、シジン、ガクシャ、ヨイショ、ボーボ、忠太のほかに、アニメ未登場だったバレット、イダテン、オイボレ、カリック、ジャンプ、アナホリ、マンプク、バス&テノールが、アニメのオリジナルデザイン担当した椛島義夫氏の手によって新たに描き下ろされるのである!(実際の作画は一式まさと氏が担当)いやあ、なんか燃えちゃうねえ。でも原作通りに行くとなると、アニメ版ではせっかく命が助かってたあのコが死んじゃうことに……。
 けれどそれでもこれはぜひ完結させてほしいマンガなんである。だから3号雑誌に終わらないで、ちゃんと完結するまで雑誌を続けてほしいんだけど、看板マンガが『ゲームセンター荒らしA』だからねえ。今時平安京エイリアンやってるからねえ(-_-;)。どうにもムリっぽいんだよなあ。


 雑誌『國文學』11月号(學燈社)が、「のアルケオロジー」という特集を組んでいる。
 巻頭、井上ひさしが「吉野作造と鞍馬天狗」と題して、「東大法学部(大正時代は法科大学)時代、大佛次郎は吉野作造の講義を聞いたはずだ」という前提で、みだりに暴力を振るわない鞍馬天狗の穏やかさは、吉野作造の穏健さの影響のもとにあるのではないか、と推察している。

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11月07日(木)
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