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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■だからアメリカは戦争好きなだけだってば/『ザリガニマン』(北野勇作)
オタアミ当日まであと12日! 12日しかないのだ!

 朝、鏡を見て、つくづく白髪が増えたなあ、と思う。
 去年から今年にかけて一気に増えて、1年で5歳はトシを食ったみたいに頭は半白状態。
 しかもこの休日の二日、ヒゲを剃らないでいたらいつの間にかヒゲの中にも白髪がチラホラ増えている。うわあ、ついにヒゲまで来たか。初めてヒゲ剃ったのだってついこないだだって気がしてたのに。
 こういきなりだと、江戸川乱歩の『白髪鬼』もあながちウソじゃねーよな、と思えてしまうんである。
 白髪もそうだが、髪自体がすっかり薄くなってしまって、そのうち禿げるのは時間の問題。オヤジもすっかり薄くなっちまったし、ジイさんがだいたいツルっパゲだったし、まあ覚悟はしてるんだが、しげが「デブでも○○でもギャランドゥでも構わないけどハゲだけはイヤ」と、愛情のカケラもないことを言ってくれてるので、ヨイヨイになったころには見捨てられるのはまあ間違いのないことだ。
 胡蝶の夢だね、人生は。


 北野勇作『ザリガニマン』(徳間デュアル文庫・500円)。
 「デュアルノヴェラ 新・中編シリーズスタート!」とオビには大きく謳ってるけど、中編で200ページ足らずで500円ってのはいくら文庫の値段がひと昔の単行本並になったからって言っても、ちょっとボリ過ぎじゃないのか。それともこういう新シリーズを出したってことは、デュアル文庫、そんなに売れてないのか。今んとこ一番充実したSFシリーズ出してくれてると思ってたのになあ。
 紙質がいいから、この値段でも仕方がないのかもしれないけれど、せめて380円くらいにしてほしいなあ。昔のジュブナイル文庫っていったら、200円くらいで買えたんだから。
 それはさておき、書き下ろしの本作、『かめくん』の姉妹編である。
 なんとなく日常の中でそこにいて、何となくたまに人類の敵と戦って、なんとなくいなくなるメカかめくんの、何となく温かいような切ないような、ちょっと言葉にしにくい味わいの前作は、読後の感想も本を読んだような読まなかったような、すぐ忘れてしまいそうな忘れられないような、淡くて愛しい感じの作品だった。
 かめくんの敵はザリガニだったけれど、どうして敵がザリガニだったのかは、この『ザリガニマン』で明らかにされる。オチの部分に関わるのでハッキリとは書けないが、結局は愚かな人類が自分で撒いたタネだった。しかもモチーフが『うる星やつら2』。自分の今いる現実があまりにバカバカしいなら、フィクションの世界に生きたっていいじゃないか、現実をフィクションで塗り替えたっていいじゃないか。多分こういう感覚、相当我々の世代の脳ミソに刷り込まれてしまってるんである。
 まあ、そのフィクションが主人公のトーノヒトシにとってみれば、必ずしも「ザリガニマン」なんてダサイものであってほしいわけはなかったんだろうが、思いついてしまったものは仕方がない、“生み出された虚構は必ず現実として存在する”というフレドリック・ブラウンの『発狂した宇宙』説が、ここでも生きているというわけだ。
 面白かったのか面白くなかったのか、笑えたのか泣いたのかよく分らない、でもそのメロドラマに行きそうで行かない、その寸止めの筆致が、北野勇作の特質なんだろう。そこはやっぱり好きなんだろうな、私は。


 まだ月末になったわけでもないのにもう財布の中はカラッケツ、しかたなく買い置きの小エビとグリンピースを薄口醤油とみりんで煮詰めて、卵でとじて食べる。ああ、これは久々のヒット料理かも。けれどマメ嫌いのしげはちょっとつまんだだけで食べないのであった。この偏食はもう一生治らんのだろうな。


 しばらく仕事が忙しくて、テレビのニュースも見ていなかった。
 CSのニュースチャンネル、同じニュースを何度も流してくれているので初めに聞き逃しがあっても安心。新聞を読んで確かめたりしなくても、結構、事件の細部まで確認できる。
 埼玉で、スーパーダイエーの屋上から、下の立体駐車場に女子中学生二人が飛び降り自殺のニュース。

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11月12日(月)
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