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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■買い物ブギ/『ブギーポップは笑わない』第1巻(緒方剛志)ほか
朝から雲行きが怪しい。天気予報では昼から雨。
体調も一向によくなる気配もなく、咳もクシャミも一度出始めると止まらない。この状態で雨に濡れるのは自殺行為だと思って職場へはタクシーで行こうと思い、サイフの中を見る。
するとどうしたことでしょう。まほうにでもかかってしまったのか、おさいふには「せんえんさつ」がいちまいしかありません。これはいったいどうしたことでしょう。きっと、いやらしいことにおかねをつかいこんでしまったのにちがいありません。よいこのみんなは、こんなだらしないおとなになってはいけませんよ。
「おーい、女房(こんなふうに呼んだりゃしないが)、せんえん貸しちくれい」
「なんで」
「具合が悪いんでたくしーに乗って行きたい」
「つまり、私はアンタのたくしー代のために、昼飯を何も食わずにガマンしてなきゃいけないってわけだね?」
「そんなこと言ったって、とても自転車漕ぐエネルギーはないよ」
「いつ返すん」
「今晩には銀行に行くよ」
女房はしぶしぶ、ムスメを女郎屋に売る時の親父のようにせつない顔で、せんえんを私に差し出すのであった。札の一枚一枚に名前をつけていたとしても、こいつなら有り得ると納得しちゃいそうだ。
帰りはバスと地下鉄を乗り継ぎ。昼飯を食い損なっていたので、「ローソン」でかきあげニギリを買って食う。コンビニの三角ニギリも種類が増えたが、かきあげなんていかにも食いにくそうなものまで海苔に巻いて食べさせようってのは、お握り会社(ってそんなもんあるのか)の商魂を感じさせることではある。
帰宅すると間もなく女房起きてくる。今までも昼寝ばかりしてるやつだったが、今や私が出かけるころに寝入って、帰宅する頃に目覚めるのが日常になってしまった。完全に私と生活が逆だなあ。
女房がバイトに出かけるまで時間があるので、銀行を回って買い物。
のどはまだ痛いが、しばらく外に出ていなかったので、いろいろと買いたいものが溜まっているのだ。まずは馴染みの某本屋に寄る。
女房、今市子の『百鬼夜行抄』の新刊を探すがない。多分売りきれたのだ。東京での発売日が20日だから、九州くんだりじゃあ、まだ入荷すらされてないんじゃないかと思われる向きもあるかもしれないが、この本屋は、博多駅や天神の大手本屋ですら一日二日遅れて入荷なのが当たり前なのに、キッチリ発売日、時には発売日より早く本が出ているのである。
なにしろ福岡じゃ少年ジャンプはどこでも火曜日発売なのに、この店だけは月曜から店頭に並んでいる。昔から何か特別なルートでもあるんじゃないかと疑っているのだが、未だにちゃんと聞いたことがない。でも聞かない方がいいかなという気もしている。こういう秘密めいたことには触れないでいた方がいい、というのも一つの知恵だと思うからである。
『百鬼』は休日になったら博多駅や天神を回って探してみよう。『サイボーグじいちゃんG』の2巻もまだ手に入れてないし。
通り道に新しく出来た、来週オープンする予定のカラオケ店、外観がレンガのお城風で、ちょっと見た感じがラブホテル。オープン記念で1時間タダだそうだが、何となく入るのが気恥ずかしい気がするのは私の自意識過剰だろうか。
でも以前何かの工場だったような場所なので面積は広い。近所にセガカラ入れてるカラオケ屋がないので、あるといいなあ。
文房具屋を回って、カシオのネームランドのラベルテープを買う。ビデオテープのラベルが作れるというものだが、凝り性(別名偏執狂)の私はラベルの背に題名だけでなく映画のスタッフ・キャスト、製作年からあらすじに至るまで書きこむので、一本作るのにえらく手間がかかるのである。私は自分のことをさして濃いオタクだとは思っていないのだが(面倒臭がりだし)、ちまちまラベルを作ったりしていると、ああ、やっぱりもしかして……と思ったりもするのである。
そのあとダイエーで食料を買いこんで帰宅。時間は六時半で、女房はもう仕事に行かねばならない時間。
「帰りは何時?」と聞くと、
「いつもとおんなじ」と答える。
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02月21日(水)
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