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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■夏の終わりの小さな花火
3.『スター・ウォーズ』("Star Wars",1977年)、『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』("Star Wars: Episode V - The Empire Strikes Back",1980年)
4.『エイリアン』("Alien",1979年)
5.『惑星ソラリス』("Solaris",1972年)
6.『ターミネーター』("Terminator",1984年)、「ターミネーター2」("Terminator 2: Judgment Day",1991年)
7.『地球の静止する日』("The Day the Earth Stood Still",1951年)
8.『宇宙戦争』("War of the Worlds",1953年)
9.『マトリックス』("The Matrix",1999年)
10.『未知との遭遇』("Close Encounters of the Third Kind",1977年)
別に「科学者」という枠を設けなくても、至極妥当な結果が出てる印象があるねえ。文系の人に聞いたって似たような結果になるだろうし、私がベストテン作っても、多少順位が入れ変わって、2、3の作品が入れ替わるだけで、同様のものになっちゃうと思う。8、9、10位を落として、『決死圏SOS宇宙船』『博士の異常な愛情』『ゴジラ』あたりを入れるかな。次点は『猿の惑星』か『スター・トレック』ってとこか。でもこれも「絶対」じゃない。
SF映画と言っても幅は広いし、ファンタジーとの境界線も曖昧である。『2001年』のようなハードSFと、『スター・ウォーズ』のような限りなくファンタジーに近いものとを同列に論じることは、そもそもムチャなことである(『ガンダム』はSFか否かで論争が起こることはしばしばでも、『スター・ウォーズ』でそれが起こりにくいのは、監督本人が「SFじゃない」発言をしているせいもあるんだろう)。「SFコメディ」とジャンルを区切ったら、M.ナイト・シャマラン監督作品やジェリー・ブラッカイマー製作作品も上位にランキングされるかもしれない。
それに、「ベストテン」について言えることは、調査人数が増えれば増えるほど最大公約数的な(極端な話、見ている映画が10本しかなくて、しかも有名どころしか知らない人間は、それしか選べない)結果にしかならないから、対象者を絞ったところで、明確な差異はでないことが多いのである。いろんな意味で「ベストテン」と「作品評価」とはあまり直結させない方がいいと思うのだが、今回の場合も「科学者が勧めているから素晴らしいSF映画なんだ」というようには考えない方がいいのではないか。
いや、もちろん『ブレードランナー』にSF映画としての価値がないと言いたいわけじゃないので、勘違いはなさらないよう。あれを1位に推すことには反対は一切ございません。
映画監督の山本迪夫(やまもと・みちお)氏が、23日に肝臓がんのため死去、享年71。
言わずと知れた『血を吸う』シリーズの監督さんであるが、怪獣もの以外で私が最初に劇場で見た映画が山本監督の『血を吸う』シリーズだった。
いやもう、不気味に佇む洋館、そこに誘いこまれる少女の幻想的な映像、なにより故・岸田森のクリストファー・リーに比肩する凶悪な吸血鬼像、全く、小学生の私に強烈なトラウマを与えてくれた映画であった。西洋基盤の、本来日本映画に移植することは不可能に近い吸血鬼映画を、怪談映画のフォーマットも利用しつつ見事に換骨奪胎してみせた山本監督の力量は、もっと評価されてしかるべきだったと思う。「B級映画」の監督というレッテルを貼られて久しいが、そういう区分けが結果的に監督を単純にランク分けしてしまい、個々の演出の妙をキチンと評価できなくなってしまっている弊害は結構ある。トンデモ演出を「B級」と呼称するなら、キューブリックにもクロサワにも結構B級なとこあるんだから、あまり短絡的なジャンル分けはしてほしくないんだよなあ。
確かに、今の若い観客が『血を吸う』シリーズを見て、「怖がる」かどうかは保証の限りではない。かえって「笑われてしまう」面もあるとは思うのだが、『血を吸う』シリーズは、一見、日本的な土着の怨念といったものを排除しているように見えて、実は根底にそういうものはしっかり内包されており、それをより普遍的な西洋風の意匠で映像化してみせた、画期的なシリーズだったと思うのである。
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08月28日(土)
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