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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■水害という名の人災/DVD『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX/笑い男編』
 チケットが買えたのはもう七時を回ったころ。いい席は取れなかったが、これも水害のせいだ。でもって対策取ってなかった福岡市のせいだ。えいくそ、税金返せ。


 夜、練習が終わったしげ、よしひと嬢を連れて帰って来るが、濡れてしまった車のシートやらなんやらを風呂場にぶち込んでいて、しかも水害のせいか風呂場の電気がつかない。
 なんとか車のエンジンは動くようなので、近所のスーパー銭湯、「月の湯」まで3人で行く。
 家族向けに縁日が出ていて、金魚掬いなんかやってるけど、銭湯の建物の中でそんなの出されても場所が狭くなるだけである。いつもならこんなシチュエーションならば、よしひと嬢の湯上り姿を鑑賞してハナの下を伸ばしているところだが(おい)、とても今日はそんな余裕はない。食事はしないというしげとよしひと嬢と別れて、一人先に食堂で海鮮定食を食べる。まあスーパー銭湯の食堂だから、味はもうそこそこ以下である。
 風呂自体はサウナに入るだけで疲れそうなので、ジャグジーでカラダを解きほぐしたらさっさと上がる。食事に時間がかかったのか、二人はもう風呂から上がってソフトクリームを食べていた。見てみると黒ゴマソフトとかいうヘンなものである。スーパー銭湯もいろいろキッチュなものがいっぱいだ。


 帰宅して、DVD『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』の「笑い男編」最初の3話『視覚素子は笑う/マネキドリは謡う/模倣者は踊る』をよしひと嬢に見せる。
 このDVDシリーズの感想も書き忘れてたけど、キャラクターデザインにやや不服はあるものの(原作通りでいいじゃんかよ。プロダクションIGに作画できないわきゃないんだが)、近年のテレビシリーズの中で出色の出来であることに間違いはない。

 6年前に起こった企業テロ「笑い男」事件。特A級のハッカーによって脅迫された企業は数知れないが、警察は未だに事件の片鱗すら掴むことができないでいた。
 そんな時に起きた特捜班の山口の死。彼はかつての同期・トグサに死の直前、連絡を取っていた。山口の死の真相を追って調査を開始したトグサは、彼ら特捜班全員に視覚素子「インターセプター」(人間の目自体をカメラ化させてるものらしい)が仕掛けられていたことをつきとめる。警察内部の不正使用。それを告発しようとした直前に彼は消されたのだ。
 公安が動いていると知った警察は、トカゲの尻尾切りのように、特捜部部長の更迭が発表する。ところがその記者会見席上で、突然義脳をハッキングされた刑事本部長が、自らを「笑い男」と称して、警視総監暗殺を予告し始めた……。

 原作の『攻殻』はともかくウンチクだらけの書きこみを読むだけで疲れてしまう。だもんで2巻は買っただけでまだ読み通せてないんだけど、草薙素子は1巻でネットに沈んじゃったから、このアニメ版は「それ以前」という設定なんだろう。となれば完全なアニメオリジナルなのか。それにしては随分と「濃い」ドラマが展開されている。特に名は明かされてはいないが、押井守も一枚噛んでるんじゃないか。「笑い男」の設定なんて、いかにも押井守好みだし、特にコンピューターウィルスに犯されたわけでもないのに笑い男の模倣者たちが続出するクライマックスは、何か科学そのものを嘲笑するような底意地の悪さが感じられて、これも押井守っぽい。
 何より、押井守ファンサイトの『野良犬の塒』で、毎回『攻殻機動隊SAC』の情報が「押井守はこの作品に関与してないはずなのに」提供されているのである。何しろあの人は「丸輪零」さんだからなあ(^o^)。ウラで何やってるか知れたものではないのである。
 まだこの三部作では「笑い男」の正体は明かされないのだが、今DVDで買ってる分には「30分間、ネットで『笑い男』の正体を討論し合うだけ」という恐ろしいエピソードも含まれていて、このシリーズがアニメの極北を目指しているのではないか(^o^)という気さえ起こさせるのである。「リクツこねてるだけでアニメとしてどうか」というご意見もあろうが、「アニメはこんなもんだ」という決めつけは初めからアニメの可能性を狭めているだけだ。

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07月19日(土)
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