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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■『新・UFO入門』(唐沢俊一)の盗作疑惑について
事件が起きて以来、私は、閲覧度の低いと思われる個人ブログのコメント欄で意見を書き込みしたことはあるが、特に表立っての発言は控えていた。唐沢氏と今でもお会いする仲ならばともかく、あまり思い出したくもないトラブルで縁が切れている以上、ちょっとでも批判めいたことを書けば、ここを先途と意趣返しでもしているように取られかねない、という危惧の念が働いたからである。
実際、かつて唐沢氏と親しかったが今は疎遠になっている人たちは、概ね唐沢氏に対して批判的な意見が多く、なにやら「いじめ」的な様相すら呈していて、あまり気持ちのいいものではなかった。
逆に、唐沢氏に近いはずの人々が、ほとんど沈黙を守っていたのもどうして立場を明確にしないのか疑問に思った。批判するにしろ擁護するにしろ、こういう時に何も言わないでいるというのは、人としてどうなのだろう、という疑問である。なんだかキリストの逮捕の時に「私は彼を知らない」と三度言ったペテロのようではないか。自分にもとばっちりがふりかかってくるのを恐れているだけなのではないか、という疑問をどうしても拭い去れないのである。
唯一、ブログで「友情から」唐沢氏を批判したのが、「鬼畜」であるはずの村崎百郎氏だけだったというのは皮肉だとしか言いようがない。
私自身は、この問題そのものは、最終的には『新・UFO入門』の回収、絶版で終わると思っていたのである。このような日記も、当初は書く予定はなかった。
ところが、唐沢氏の以下のような「謝罪文」の内容を読んで、気が変わったのである。
http://www.tobunken.com/news/news20070803110042.html
謝罪文
幻冬舎新書で刊行した唐沢俊一の著作『新・UFO入門』初版の中で、
一部(同書134ページ〜139ページ)にサイト『漫棚通信ブログ版』
(http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/)の
内容とほぼ同一の文章を無断で掲載してしまった箇所
がありました。この件に関し、漫棚通信様に大きなご迷惑
をおかけしてしまったことを認め、謝罪いたします。
なお、初版印刷分に関しては出版社在庫を裁断し、当該部分を
差し替えた版を至急製作して、当該箇所にはその事情を説明した
文章を付記させていただきます。今回の件に関し深く反省し、
今後このようなことのないよう、出版活動に対し身を引き締めて
あたる所存です。重ねて深くお詫び申上げます。
平成19年8月3日
唐沢俊一
幻冬舎新書編集部
「当該部分を差し替えた版を至急製作して」って、絶版にする気はない、ということなのだなと。
「今回の件に関し深く反省し、今後このようなことのないよう」と言うのであれば、当然、ほかの「盗用」部分についても反省していなければおかしいではないか、ということである。
唐沢氏の「反省」とやらは決して充分なものではない。どこかにこの出来事を「甘く」見ている面が残っているのではないか。
『新・UFO入門』が、単にUFO事件を取り上げているだけでなく、近代という科学的合理主義によって支配されているかのように見える我々の「意識」が、案外、前近代的なものに強い影響を受けていること、そして恐らく今はUFOを見なくなっている我々が、近い将来には「別の何か」を見ることになるのではないかと予見させる内容になっていること、これは本書を後世に残したいと思わせるに足るだけの充分な価値がある。だからこそ、盗用部分がかなりあることが残念でならない。
だとしたら、いっそのこと、「一部訂正」などという姑息な手段を取らずに、「完全全面改稿版」を出版することにしたらどうか。朝日新聞の書評委員を自粛するというのなら、時間もおできになるだろう。当座の生活に困るということはないと思う。「盗作」という汚名を返上しようと思うのなら、それくらいの「禊」は必要だろうと切に思う。
08月08日(水)
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