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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■『イノセンス』カンヌ上映。
 ……今まで注意してなかったけど、バトーの綴りって、“Batou”だったんだね。もしかして漢字で「馬頭」って当てるのか? しかし「草薙」に「馬頭」と来ると、どうしても諸星大二郎の『暗黒神話』を連想しちゃうねえ。そのあたりのアナロジーについてはあまり深く考えたことはなかったんだけれども、士郎正宗はそういう「遊び」も想定してたんだろうか。

> Mamoru Oshii on his intentions: "This movie does not hold the view that the world revolves around the human race. Instead it concludes that all forms of life ・humans, animals and robots ・are equal. In this day and age when everything is uncertain, we should all think about what to value in life and how to coexist with others."

訳:製作意図について
 押井守「この映画は、世界は人類を中心に回ってるという見方で作られてはいません。むしろ生命の形は人間も動物もロボットも同じだと結論付けています。今日、あらゆるものが不確かな時代にあって、ぼくらはみんな、命の価値がなんであるのか、どうやって他者と共存していくのかを考えなきゃならないんです」

 これもまた実にストレートな発言で、欧米人の神経をかなり逆撫でしたんじゃないかと思うけれど、ブーイングとか失笑はなかったのだろうか(^_^;)。でもまあ、科学的にも生命と非生命との境界線は曖昧であったりするし(それは「生」と「死」の間に厳密な境界線がないことも意味している)、仮に「精神」あるいは「思考」が非生命体に対する生命の優位性を証明するものだという考えに基づいたとしても、オソロシイくらいに単純な思考しかできない人間も世の中には掃いて捨てるほどいるから、あまり威張らないほうがいいような気もするのである。
 なんにせよ、「クローン禁止」とか言ってる時点で、欧米人はこれ以上ないくらいに「思いあがって」「思考停止」してしまっているんである。で、そいつらと「共存」しなきゃならないのが日本の頭の痛いところなんだよなあ。まったく、「馬鹿には勝てん」のだ。
 なんにせよ、こういう挑戦的な発言をカマシてくれるあたり、押井監督、パルムドールが取れるかどうかなんて気にしてないみたいだなあ(内心はどうか知らんが)。

> Press Conference: "Innocence"
For the official presentation of the competition animated feature Innocence, Japanese director/writer Mamoru Oshii, composer Kenji Kawai and producer Mitsuhisa Ishikawa answered questions from the press. Highlights.

 記者会見の様子。
 公式サイトには、中央にヒゲ面長髪の押井監督、向かって右にやはりヒゲ面の石川光久プロデューサー、左隣にパッキンの川井憲次さんが座っていらした。掲載されていたのは押井監督のコメントだけだったけれども、あとのお二人がどんなことを喋ったかも気になるところである。

> Mamoru Oshii on the origins of the film: "When Production I.G first proposed the project to me, I thought about it for two weeks. I didn't make Innocence as a sequel to Ghost in the Shell. In fact I had a dozen ideas, linked to my views on life, my philosophy, that I wanted to include in this film. [...] I attacked Innocence as a technical challenge; I wanted to go beyond typical animation limits, answer personal questions and at the same time appeal to filmgoers."

訳:映画の成り立ちについて
 押井守「プロダクションI.G.が、最初、ぼくのところに企画を持ってきた時に、二週間考えました。『イノセンス』を『攻殻機動隊』の続編として作るのはやめようと。実際にぼくは、ぼくの人生観や哲学、この映画に込めたかったことに関連した12のアイデアを思いついてました。……ぼくは『イノセンス』で技術的な面で挑戦をしましたが、それは型通りのアニメーションの限界を越えて、自分個人の疑問にも答えて、同時に映画ファン達にも訴えたかったことです」


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05月21日(金)
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