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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■迷える不惑/DVD『ウォーターボーイズ』ほか

 『チェリーとスイカ』。
 矢口史靖(しのぶ)監督自らメガホンを取ったサイドストーリー。
 火事のせいでプールが使えなくなった唯野男子高校水泳部に救いの手を差し伸べた眼鏡っ娘トリオ、桜木女子高の伊丹弥生(秋定里穂)・中村由紀恵(土師友紀子)・小林久美(上野未来)、人呼んで、「チェリーズエンジェルス」の文化祭前の1日を描いたもの。監督もお気に入りだそうだが、私もお気に入りだぞ。
 本編映画では弥生ちゃんが一番目立っていたのだが、今回のサイドストーリーでのメインは久美ちゃんにシフト。この子、八百屋の娘だったのだな(もちろんこの話のために新たに付け加えられた設定であろう)。『ひみつの花園』の頃から矢口監督はちょっとヘンな女の子を描き続けているんだけれど、この子も相当ヘン。拾ったスイカ食っちゃうだけならともかく、友達にも食わせちゃうんだもんなあ。そんな女子高生おるかい(^_^;)。……で、三人とも食中毒で入院してやんの。よく文化祭に間にあったものだ。
 でもこういうヘンな女の子たちと言うのは見てて楽しい。どうも私は普通でない女の子に惹かれる悪い癖があるようである(今さら)。
 
 『鈴木のトラウマ』。
 本編の主役、鈴木智(妻夫木聡)の過去のトラウマ歴を辿る一編。監督は本編助監督の片島章三。
 文化祭当日、土壇場になってシンクロを披露することに躊躇を覚えた鈴木は、自分がこれまでいかに根性ナシであったかを回想する。
 小学生の頃は全くのカナヅチで女の子にバカにされていたとか、それはまだたいしたことないのだが、中学時代、不良に絡まれた彼女を見捨てて逃げたってのはちょっとシャレにならない。今になっていくら勇気を奮い起こしたからって、過去の罪が帳消しになったわけじゃない。絡まれた彼女は結局どうなったんだよ? あの状況じゃマワされたとしか思えんが。
 ドラマの主人公ってのは、どんなに悪辣なやつでもどこか優しいとこがあるとか、客に感情移入をさせるための工夫をしなきゃならんものである。これじゃ、鈴木は、過去のことは過去のこととしてキレイサッパリ忘れて、新しい恋に生きる卑怯者に過ぎない。炎尾燃が見てたら、こんなやつ、鉄拳制裁だぞ。
 脚本家がバカでヘボなので、せっかく主役の子を使ったのに、つまんないどころか腹立たしくなっちゃった一編。

 『ワンモアチャンス』。
 監督助手の山口晃二の脚本・監督による、東海林勇二(鈴木祐二)、成瀬金太(金原泰成)、星野宏(星野広樹)、阪本友也(西川祐也)のウォーターボーイズ・バックダンサーズ(^o^)の4人をフィーチャーした一編。
 体操一筋にやってきて、ふと、自分の未来に疑問を感じるユージ。「オレって本当は何をしたいんだろう?」。
 モチーフそのものはありふれてるものだけれど、じゃあ青春ものにありがちな熱い友情物語が展開するかというとそうはならない。なにしろホシノとユウヤは、ユージが悩んでる間、高校三年間の思い出造りに、立ちんぼさんに会いに行っているのである。そうかそうか、彼女いないヤツはそういうことやってたのか。30分で1万5千円(二人で3万)ってのは、相場としては安いんかな。
 結局、ユージの悩みも叫んでるうちに何となく解消する。その何となくな感じがイマドキなんだろうな。

 『がきんちょハート』。
 ウォーターボーイズチョイ役の望月大志(松永大司)をフィーチャーした一編。メイン5人組の一人、金沢孝志(近藤公園)も出演しているが、映画本編には登場していないアッコ(宮下ともみ)の出演がこのサイドストーリーの見どころだろう。男をグーで殴れる女に悪いやつはいない(^o^)。

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12月30日(月)
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