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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■スタジオジブリ、金のオゼッラ賞
監督賞に当たる銀獅子賞には、これも観客の圧倒的な支持を受けていた『空き家(“3-iron”)』のキム・ギドク監督が、グランプリ(批評家賞)にはアレハンドロ・アメナーバル監督の『“Mar adentro”(“Out to Sea”)』が選ばれた。
注目の宮崎駿監督の『ハウルの動く城』だけれども、金獅子賞こそ逃したものの、製作会社であるスタジオジブリには「金のオゼッラ賞(技術貢献賞)」が贈られた。まあ、これだけでも充分たいしたことである。ただ、「金獅子賞」ではないことで、興行収入に多少の変化は出てくるかもしれないね。日本人って、オリンピックでもそうだけど、金メダル以外はあまり注目しないから(情けない)。
『ハウル』は公式上映後のスタンディング・オベーションがすごかったらしくて、日本の各紙も「金獅子賞最有力!」とか書いてたんだけれども、岡田斗司夫さんも「OTAKING SPACE PORT」の9日付近況報告で、「金獅子賞は確実らしいですよ」と、いかにもイワクありげな書き方していた。ああ、もしかして岡田さん、ヒミツの情報ルートを持っていて、既に結果を知っているのだろうか、とか考えていたのだけれども、今日の近況を見てみると、「リド島での上映後5分間のスタンディングオペレーションを見て、現地に駐在していた日本の新聞・TVマスコミ関係者たちも『ほぼ確定』と見込んでいたので、かなり意外です」とか書いてたんでガクッと来た。日本のマスコミ関係者の判断なんかアテになるわけないじゃん!(~_~;)
スタンディング・オベーション自体が必ずしも審査結果に反映されないことは常識みたいなもので(全くない作品が受賞すればブーイングが起こるが)、期待と自国ビイキの願望コミの「確定」情報をまんま信じちゃうってのも、岡田さん、ちょっとどうかしてるんである。もちろん、『ハウル』は上映後の星取表でも満点の五つ星を取っていたし、だからこそ「最有力」とは言われていたのだけれども、「確実」ってことはない。日本にいたおかげで、ほかにも「最有力」な作品が目白押しであったことが海外通信を通して伝わってきていたので、「『ハウル』はきびしいかなあ」と客観的な判断ができていた。ヴェネチアにいたために、岡田さん、かえって状況が見えてなかったらしい。
岡田さんはさらに「アニメ夜話で某氏が『カンヌ選考委員の中にはアニメを映画や俳優に敵対するもの、と捉えてる人がいた』と楽屋で話していたのを思い出しました」と書いているが、これもかなり勇み足な記述である。と言うか「受賞確実」よりもこちらの方がずっとタチが悪い。そういう人がいないとは言わないが、選考そのものに偏向があったかのようにミスリードするのは、著述家としての姿勢を問われかねない大問題だ(しかも判断元はやっぱり「楽屋話」である)。現地の批評家はちゃんと『ヴェラ・ドレイク』が最有力と捉えていたし、観客の反応が最も高かったのは『ハウル』ではなくて『空き家』だった。別に選考結果に「おかしい」ところはない。不当ジャッジの証拠もないのにこういう身ビイキに取られる書き方をしてしまうと、かえって『ハウル』の評価自体を貶めかねないが、そんなことにも気付いてないのだろうか。まさかそのことが目的で書いてるんじゃないとは思うけれど。
サービス精神が旺盛と言うか、お祭好きなのは別に悪いこっちゃないけれども、余計なヒトコトが多いと言うか、2ちゃん情報レベルの憶測をよく吟味せずに垂れ流し続けるのは、岡田さん、あまりにシロウトっぽ過ぎると思うのである。我々シロウトの書く日記と、プロの書くそれとは自然、「重み」が違って来るからね。今更シロウトには戻れないんだから、もうちょっと考えた書き方してほしいもんである。
……しかし、アニメ関係の日記書いてる一般の人たちの日記で、このニュースに触れてる人って少ないね。どうでもいい?
東芝・ワーナーブラザース・日本テレビの均等出資で作った映画製作会社トワーニ(頭文字取っただけの名前なのな)が、映画『キューティーハニー』が興行収入わずか2億という惨敗に終わったことで、解散とのニュース。結局トワーニが作った映画って、『さくや妖怪伝』、『ドッペルゲンガー』、『天使の牙』に『ハニー』の4本だけだったんかね。
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09月12日(日)
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