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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■遠い〜気球よ〜/『フライト・オブ・ワンダー』/『OO7/ダイ・アナザー・デイ』
 チケットを買いに行ったしげ、「ダブルオーセブン2枚」と言ったら、受付のね〜ちゃんに「ゼロゼロセブンですね」と言い直される。どうも本気でそう発音すると思ってるらしいが、この間違いはやたら多いから、それほど目くじらは立たない。と言うか、我々の子供のころは宣伝でもわざと「ゼロゼロセブン」とか「ゼロゼロナナ」って言ってたから、そっちのほうが発音がわかりやすいし日本人的にカッコよく聞こえると判断されたのだろう。でもナポレオン・ソロの場合は「ゼロゼロワンワン」より「ダブルオーイレブン」のほうがカッコイイと思うけどな。犬じゃないんだから。ちなみに、『サイボーグ009』の映画版では、1回だけ007(曽我町子)が自分のことを「ダブルオーセブン」と名乗るシーンがあるよ。
 で、肝心の映画の方だが、ここ三作ほどはあえて邦題に「OO7」と付けず、シリーズものの印象を与えることを避けていたのが、20作記念ということもあるのだろう、しっかりと復活したことは実に嬉しい。中身もこれまでのOO7映画の集大成という感じで、やたら「どこかで見たような」シーンやシークエンスが出てくるのである。それをOO7映画のオマージュと捉えるか、ただのおふざけと捉えるかでこの映画の評価も大きく分かれそうだ。
 私は否定まではしたくないけれど、やはりどうにも「薄っぺら」って印象がしてしまって、イマイチ乗りきれなかった。
 ともかく、ボンドやジンクスが窮地を脱するときのアイデアがありきたりなんである。特にジンクスなんてさ、前宣伝ではいかにもボンドに対抗できるだけの「男に頼らないニューヒロイン」って感じで売ってたのに、いざフタを開けてみたら2度もボンドに助けられてんだからね、これじゃあ「男に助けられるか弱いヒロイン」ってこれまでのボンドガールのイメージを全然払拭できてないじゃん。ジンクス演じたハル・ベリー自体は眉がキリッとしてて魅力的なんだけれども。
 魅力、という点では、今回の敵もどうにも小粒に見えて仕方がない。
 かつてのいかにも憎々しげだったゲルト・フレーベのゴールドフィンガーやアドルフォ・チェリのエミリオ・ラルゴや、ドナルド・プレザンス&テリー・サバラス&チャールズ・グレイのスタブロ・ブロフェルドが大好きだった身にしてみれば、ここ10年ほどの悪役は悪役に見えないのである。
 敵の首魁、北朝鮮のムーン大佐(明らかにロバート・マーカム(キングズリィ・エイミス)のOO7小説「孫(サン)大佐」をモジっているのだが、朝鮮語に「ムーン」って発音する字はあるのか)、これがあとになって意外な形で(でもバレバレ)再登場するのだが、もう設定に無理がありすぎ。
 トビー・スティーブンスがママのマギー・スミスに似てるのもちょっと笑いを誘うかな。

04月04日(金)
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