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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■迷える不惑/DVD『ウォーターボーイズ』ほか
 『千と千尋の神隠し』の予告編映像と本編映像を比較して見せながら、「どうだ? 赤いか?」と聞く。色弱な私には未だにその違いがよく分らんのである。「赤いでしょ?」と言われたらそんな気がしてくるが、映像を入れ替えて同じことを聞かれても「イエス」と言ってしまいそうな気がする。
 H君、「予告編を収録しなければ、気がつかれなかったんじゃないか?」と言う。まあ赤いと言ってもその程度だろう。やっぱりこの事件、裏に「仕掛け人」がいる気がしてならない。

 ご家族がいらっしゃるので、H君もあまり長居はできない。せいぜいウチにいたのは数時間か。独身時代はもちろんまる一日ウチで遊んでたものだったが。

 私より遥かに知識も見識もある彼が、自分のシュミを犠牲にしているのを見ていると、オタクってやっぱり結婚しないほうがいいよなあ、と思うこともある。けれど、もちろんそれを承知でH君は「家族」を作ることを選択したのである。幸せを全てオタク的見地で括っていいものではない。だからこんなモノイイは、ホントは避けるべきであろう。けれどやはり、家族とか、そういうもののほかに、「こういう生き方もあっていい」という価値観を示す人々がいてもいいのではないかとも思うのだ。私は『オトナ帝国』における「家族の絆」を、人と人を繋ぐシステムとして有効、とは考えたが、絶対、と考えている訳ではないのである。安易な家族主義が、個人の圧殺を引き起こしてしまう例とてあろう。
 ……念のために書いておくが、H君が別に自分の家庭を不満に思ってるわけではないので、そこは誤解なきように。彼の家庭は、夫婦喧嘩一つなく、昨今珍しいほどに円満である。人徳だよなあ。
 彼を見ていると、私はやっぱりしげに遠慮してるようでいて、実は結構好き勝手に生きてるのかもなあ、と思ってしまう。自分のシュミを貫いて行けば、たとえ自分の相方が相当なオタクであっても、どこかにすれちがいが生じるのは仕方がないことである。
 しげとのケンカはたいてい「お互いを顧みない」ことが原因でで起きる。でも私の場合、残りの人生ってたいしてないと思ってるから、どうしてもしげを無視して生き急いじゃうところがあるのだ。
 しげの存在は私の人生にとってなくてはならないものではあるが、かと言って
その全てではない。しげの要求に全て答えることは精神的にも体力的にも到底ムリな話なのだが、「全て」を求めるしげの強欲さが数々の齟齬を生むのである。……アンタね、しげの望み通りに行動しなきゃならないとなったら、毎日毎日、帰宅するたびに腰を捻って踊りながら「ハーイ、マぁイはに〜、待ってたかァい?! ボクは今日も君に胸がズッキュンズッキュン! 一瞬だって忘れてないぜベイベぇ〜! らぶらぶビーム!」とかやらねばならなくなるのである。……できるか(-_-;)。
 しげと付き合って、その命を縮めぬ者はまずおるまい。


 H君が帰ったあと、父からも誕生日の電話。しばらく散髪をしてないので、明日は必ず来るようにとのこと。いやそりゃ行きますけどね。
 姉から「もっと頻繁に顔を見せなさい」とお叱り。
 「だって、『正月、なんか予定あると?』って聞いても、『ない』ってしか言わんし」
 実際、「別に来んでいい」と言われちゃ、行けないじゃないの……と続けたかったのだが、そう言う間もなく、続けて姉に捲くし立てられる。
 「用事がなくても来ていいとよ! ああ見えてホントは寂しがっとうっちゃけん。そりゃ、姉ちゃんにお父さんば押しつけたっちゃ、全然かまわんばってん?」
 いや、押しつけてる気はないけど……結果としては押しつけてるなあ。まあ抗弁してもなんなので、明日顔を見せることを約束。しがらみで会うのは父も私も好きじゃないんだがなあ。


 DVD『ウォーターボーイズ』。
 映画自体も気に入ってたのだけれど、特典映像がスゴイ。メイキングがあるとか、コメンタリーがつくとか、そこまでは普通なのだけれど、登場キャラクターをフィーチャーしての短編を5本、新たに制作しているのですよ!
 まあ、出演者が若手ばかりでギャラが安かったからこそできたんだろうけれど、数あるDVDの中でも、これほど「おトク」感を得たものは近来にないと言っていい。

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12月30日(月)
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