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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■病気はハンデじゃないってば/映画『スパイダーマン』/『ミステリー民俗学者 八雲樹』1巻(金成陽三郎・山口譲司)ほか
乙武洋匡氏の『五体不満足』が出た時、「あれが身障者の普通の姿だと思われたら困る。自分の障碍や病気をプラス志向で捉えられない人も多いのだ」と批判してたヤツが結構いたが、マイナス志向で捉えるやつが多すぎたからこそ、アンチテーゼとしてのアレがベストセラーになったんだってことに気がつかないといかんよな。
身障者や病人に対しては同情も激励も要らない。ごく普通に接してくれればいいのであるし、気を遣ったつもりで障碍や病気のことに触れないようにする必要もない。
手のない人間に、「普段はどうやって生活してるの?」と聞くのは、差別でもなんでもないのだ。余命いくばくもない人間に「あと何年生きられるのか?」と聞くのは相手を傷つけることにはならないのだ。まあ、言いにくい気持ちは分るけれど。
少なくとも、私は傷つかない。実際、「あと何年くらい生きられるの?」と聞かれた時には、「子供のころ数年と言われてたけど、ここまで持たしたぞ。あとのことは知らん」って答えてるし。私に関しては、その手の遠慮は一切無用である。
そういうこと聞かれてメゲてるようなら、その心根の方が社会生活をする上でのハンデになっちゃうってこと、病人はそっちの方を問題に思えよ。カラダ治す前にココロを治せ。
ようやく映画にも行けそうな体調になってきたので、職場に迎えにきたしげと車でキャナルシティに向かう。
途中、吉塚のパピヨンプラザに寄って、そこで食事。
いつものように、店がたくさんあると、どこに入ろうか、しげは鬱陶しいくらいに迷いまくる。
「『ナイル』は安いけどカレーしかないし、スパゲティは外では食べないと決めてるし、マックはどこにでもあるし、ここのケンタはゲロマズだし、やっぱりロイヤルホストしかないかなあ」
「『八仙閣』もあるけど?」
「あ、そこに決めた!」
……そんなにあっさり決められるんなら最初から迷うんじゃねえや(-_-;)。
どうしてそんなに簡単に決められたかというと、ここにはしげのお気に入りメニューの「エビのマヨネーズ和え」があるんである。八仙閣もあちこちに出店があるが、このパピヨンプラザ店を始め、これがある店は限定されているのだ。
大皿と小皿の二種類がここにはあるが、小皿でも軽く一人前以上の分量はあるので、一皿頼んで二人で分ける。
三千円均一で、二人前の料理を五皿まで選べるというので、他にも酢豚だの餃子だの、小皿をいくつか頼む。たいていの料理がそう間を置かずに出て来たのだが、中華ちまきだけがいつまで経っても出て来ない。シビレを切らして店員さんに「まだですか?」と聞いたら、「蒸すのに15分ほどかかりますので……」と言い訳。15分なんてとっくに過ぎ取るがな。
映画の時間もあることなので、キャンセルすると、しげがボソッと「クレーマー」と言う。別にクレームつけたわけじゃないじゃん。自分だってしょっちゅう料理が運ばれてくるのが遅くなると「もう帰る」とかわがまま言うくせになあ。しげのワガママは欲望が満たされないための憤懣だが、私は時間を気にしただけだから、いっしょくたにされても困るんだが。
しげに『ノット・ア・ガール』は見られてしまつていたので、今日見る映画は『スパイダーマン』。
マンガの実写化がトンデモ映画になっちゃうってのは日本のマンガの場合もよくあることだけれども(『ドカベン』や『嗚呼!花の応援団』が真っ先に思い浮かぶのは世代かね)、アメコミのヒーローものの場合、ハナから実写化したら相当ヘンテコなものになるんじゃないかと以前から思ってはいた。
だってよう、スーパーマン一つ取ってみたってさあ、あんなタイツ一枚の筋肉男が実際に目の前に現れたら、100人が100人、コイツはヘンシツ者だって思うぜ(日本のマンガに登場するスーパーマンのパロディもたいてい変質者扱いだものな)。ファンタスティックフォーもスパイダーマンもまたしかり。どうして向こうのヒーローはお肌にピッタリフィットしたタイツに拘るのかね。やっぱりゲイ文化の影響なのか。
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05月31日(金)
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