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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■郵便ポストが赤いのも/『エクセル▽サーガ』8巻(六道神士)ほか
 当日の日記にも書いたが、場所の案内はチラシにないわ、絵はプレハブの事務所の一角に適当に並べただけだわ、向こうじゃ係員がウロチョロしてるし、とても絵を鑑賞できる雰囲気じゃなかったのだ。主催者が客のことだって何も考えちゃいないってのがアリアリだった。
 まさかあれで「見せてやってるんだ、ありがたく思え」みたいな態度は取るまいなあ。でも所詮は公務員の仕事だし、その辺は怪しいよなあ。
 あのあときらら博関係者のホームページもちょっと覗いてみたのだが、なんの反省もした気配がない。それどころか「二度と来ない」とゲストの方々が怒ってらしたのに対して、「誰が呼ぶか、お前らの代わりなんかいくらでもおるわ」と嘯いてる始末。
 いくらでもいるなら最初から呼ぶなってば(-_-;)。
 私も別に宇部の人間がみんなこんなアホだとは思わないが、役人とかボランティアとかに自分がエライと勘違いした人間が腐るほどいるのは事実だからねえ。福岡も役所の類はみんなこんなもんだ。情けない話だけど。
 須らく、公務員とはできるだけオトモダチにならないほうが無難であろう。


 しげが起きたら買い物にも行こうか、映画にでも行こうかと思っていたが、夜になっても全然起きて来ない。
 もう7時を回って、オイ、こいつまた12時間くらい寝てるぞと思って、ムリヤリ起こすが、まだ寝たりない様子。
 これでしょっちゅう「最近寝不足で」なんて大ウソこいてやがるんだから、みんなでしげに石を小突けてください(「小突ける」は博多弁かな?)。

 でもどういうわけだか、しげは最近どんどん鬱になっているのである。
 芝居の演出がうまくいかない、ということもあるのだろう。
 身を引く直前、私もしげに「役者をどんどんヘタにする演出してどうする」と批判したことがあったが、同じことを鈴邑君にも言われたらしい。
 イメージはあってもそれをどう伝えたらいいか分らない、それで悩んでいるようだが、別に演出ってのは自分のイメージを役者に伝えるのが仕事じゃないんだがねえ。根本から芝居の演出ってのがなんだかわかっちゃいないのだ。
 鈴邑君には「役者をもっと自由にさせたら」なんて言われたらしいが、まさにその通り。大リーグボール養成ギプスじゃあるまいし、束縛からドラマは生まれやしないのである。

 「……ねえ、世界中が私を嫌ってると思わない?」

 近所のベスト電器を回り、生ビデオテープを買いこんだあと、マルキョウに食料を買いに行く途中で、しげがいきなりこんなことを聞いてきた。
 「なんだい、そりゃ」
 「AIQのパティオにさ、書きこんだけど、レスが誰からも付かないの」
 「挨拶しただけだろ? あれは言ってみりゃ業務用なんだから、用事がなけりゃ普通レスは付けんよ」
 「でもアンタには付いたし」
 「オレは挨拶だけじゃなくて、チラシの配布についていろいろ書いたからレスが付いたの。チケット売って、報告すりゃ、レスは付くだろ」
 「そうかな」
 「そうだよ」

 しばらく、てく、てく、てく。

 「……でもやっぱり世界中が私を嫌ってると思わない?」

 あああああ、鬱陶しい! 鬱鬱するな! 鬱がこっちにまで移るわあ!

 「……移るの?」

 移らねえよ!

 鬱のクセにしげには食欲だけはある。常にある。しょっちゅうある。
 だからしげの鬱なんていちいち気にしてやるほどのことはないのだが、マルキョウで「カレー作って?」と聞かれた時、「レトルトのほうが安上がりだぞ」と言い返したら、すぐさましげは鬱モードに入りそうになった。
 ああ、もう、まるで相原コージの「太宰治」のようだ。
 仕方なく急遽カレーの材料を買い始める。

 「肉は何がいいかな?」
 「何でもいいよ」
 「じゃ、ビーフにしよう」
 「ウン、分った、じゃあこれ」
 「……何それ。ブタじゃん」
 「だって今、ビーフにしようって……」
 「ビーフは牛じゃあ! ブタはポーク!」
 「……え?」
 「んじゃ何かあ! キサマは今までビーフカレーをブタだと思って食っとったんかあ!」
 「……たまに」

 実話である。


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09月29日(土)
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