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無責任賛歌
by 藤原敬之(ふじわら・けいし)
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■買い物ブギ/『ブギーポップは笑わない』第1巻(緒方剛志)ほか
 いつもも何も、私ゃまだ何時から何時まで働くのかすら聞いてないぞ。隠して何か意味があるのか。こういう無意味な秘密主義のある女は、ミステリではたいてい真っ先に殺されるのである。つまり「殺しても痛痒を感じぬやつ」と一般的にみなされているということだ。
 世の女性諸君にも、ご自戒頂きたい。女房はもう手遅れだけど。

 緒方剛志『ブギーポップは笑わない』1巻。
 上遠野浩平『ブギーポップ』シリーズ第一作の、小説のイラストレーター自身による、ほぼ忠実なマンガ化である。「ほぼ」と言ったのは、表現媒体が違うゆえの簡略化、構成の変更を差すので、設定そのものに変更が加えられたわけではない。ただ、丹念に見ていくと、既にエコーズと出会ったばかりのブギーポップのマントの中に宇宙が見えていたり(^_^;)、緒方さんの趣味の設定は随所に出てくる。
 緒方さんのイラストの雰囲気は好きなんだが、マンガが本職というわけでもなさそうなので、どうもコマ割りがぎこちない。小説のセリフをマンガに移し替える作業が困難なのは解るが、コマごとのセリフの配分がうまくないので読みづらいのである。しかもキャラクターの描き分けがヘタ……(-_-;)。
 でもまあ、今回マンガ版を読んだことで、ブギーポップのキャラクターの中で一番好きなのが末真和子だと言うことに気づいたのは収穫だったか(^o^)。
 「『八つ墓村』のモデルになった事件は?」
 「津山三十人殺し」
 ……これをサッと答えられる女の子っていいよな。よく解らん人は松本清張の『ミステリーの系譜』を読もう。日本の土俗を知る上でもこれは貴重な事件なのであります。
 小説の新刊第十作も既に出ている由。題して『ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド』。こりゃなんとしても休日までにカラダ治して買いにいかにゃあ。

 で、他の買って読んだ本の感想は明日書くよん。



 椎名高志『MISTER ジパング』3巻。
 椎名さんのマンガ自体は嫌いではないのだが、キャラクターの作りこみ方が前作の『GS美神』の延長線上にあるものでしかなく、これじゃ戦国ものにした意味があまりないなあ、と思っていたが、どうやら今巻あたりからタイムパラドックスものに仕立て直すようで、少し面白くなってきた。
 でもこの人は基本的に短編作家だと思うので、『椎名百貨店』のような形式のものも月刊あたりで描いていってほしいと思うのである。

 天樹征丸・さとうふみや『金田一少年の事件簿Case7 金田一少年の決死行(上・下)』。
 第一期完結か。二期は要らんが。完結編のワリにストーリー、プロット、トリック全て陳腐。
 一応礼儀としてトリックその他は明かさんが、乱歩の少年ものの拙劣なパクリである。読んでて「まさか……で、……で、こんな展開になって、……が真犯人で、更に……するんじゃあるまいな」と思っていたら全て的中。で、これは良心的なミステリ作家なら、まず恥ずかしくてやれないネタである。
 この作品が現在のミステリブームの一翼を担ったことは事実なので、あまり悪口を言いたくはないのだが、マガジン編集部に、あるいは講談社内に。まともなミステリファンはいなかったのか。せめて「良心的な作品を作る」くらいの配慮を促す人間がいてくれたらここまでひどい作品にならずにすんだと思うんだが。

 女房が突然殺虫剤を天井に向かって吹きつけ始める。
 「なんだ、ゴキブリか?」
 虫らしきものは見えるが、目が悪いのでゴキブリかどうかはわからない。虫嫌いの女房は鬼のように殺虫剤を散布している。たちまち部屋が甘い匂いで満たされる。……人間の方が死ぬぞ(-_-;)。
 虫はしばらく天井の隅をカサカサ這っていたが、やがてポトッと落ちた。ちょうどパソコンの裏あたりだ。女房、虫がどこにいるか覗き込もうとするが暗くてよく見えないらしい。
 「そのうちどこかから出てくるだろ」
 そう言い放って私はのんびりパソコンに向かう。
 その途端、
 「ひいいいいいいいいい!!」
 思わず私も悲鳴をあげる。もちろん、女房の悲鳴に驚いてである。
 ……だから、その「楳図かずお悲鳴」は止めてくれってば。

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02月21日(水)
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