ID:104863
G*R
by K・カヲル
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■13 天敵
 もう、刀を交えることくらいお互いに承知してるから、何も問題ありませんよ。ええ、ホントに。
 なぁんにも。
 眉を寄せたまま、乱菊は笑った。
 それ以外にできることがないかのように。

「ほらほら、隊長。見てくださいよ」
 そう声をかけられて振り向くと、先ほどとは違った洋服を着た乱菊が腰に手を当てて立っていた。くるりと一回転すると、短いスカートがひるがえる。その横で織姫は座ったまま、のんきにぱちぱちと拍手する。中が見えるのではないかと日番谷はやきもきして、そして呆れた。
「似合いますか」
「とりあえずその格好で回るな。暴れるな」
「いやですよう、隊長ったら。生活指導の先生みたい」
「学校に通ったこともないくせにそういうことを言うんじゃねえ」
 日番谷がそう言うと、乱菊は笑いながら学院には通いましたよう、と反論して口を尖らせてみせた。そして日番谷に背を向けて、織姫と再び洋服を手にとって話し始める。その背を眺めて、日番谷は眉を寄せた。
「……やっぱ、あいつは、いけ好かねえ奴だ」
 呟いて、日番谷は立ち上がった。乱菊と織姫が同時に顔を上げたが、日番谷は手で押さえるような仕草をして、少し散歩してくる、とだけ言って玄関から外に出る。
 外は明るく、まだ日差しは厳しい。しかし、廊下には涼しげな風が吹いて日番谷の髪を揺らした。その己の髪の色が、空に消えた男を思い出させて日番谷は眉をひそめる。いつも、いつもいつもいつも、へらへらとした笑みを崩さずに、それなのに親しげに近寄ってきた、あの男。十番隊の執務室。窓からやってくるギンを叱りとばす自分の傍らで乱菊が笑っていた日々からはまだ一月も経っていないのに、ひどく遠い。
 日番谷は空を見上げた。
「やっぱりあいつは、いけ好かねえ奴だ」
 繰り返して呟き、日番谷は舌打ちする。
「……いつも傍に寄ってくるくせに決して心中は明かさねえで。いつも人と距離をおいて。雛森を傷つけて。松本を」
 そこで言葉を飲み込み、日番谷は歩き出す。足下には、濃い影がくっきりと落ちていた。








 隊長はなんとなく、何かあるんじゃないかと思っていて、その上で部下を手助けできたらと思っていたらいいなあと妄想で。まあ、市丸さんに会ったら迷わずざっくり斬るんじゃないかと思いますが。思うところはあっても。
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11月13日(火)
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