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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ヘイル・シーザー!」
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わ〜、私これすごく好き!往年の映画を思い起こさせる撮影風景がわんさか出てきて、さながらオマージュのオンパレード。映画作りにまつわる苦労話・裏話があれこれ出てきて、だいたいは既存の話しなんですが、一本通して描かれると、こちらもむくむく映画への思いが充満してきます。最近腰痛に悩まされて、昨日も湿布はりはり劇場に向かった私ですが、鑑賞後はスキップして帰りたくなるくらい、楽しかったです。監督はコーエン兄弟。
1950年代のハリウッド。エディ(ジョシュ・ブローリン)は、どんなトラブルにも対応する仕事請負人。仕事は全く選ばず、夜討ち朝駆けで仕事をこなしています。そんな彼の手腕を見込まれ、ロッキード社からヘッドハンティングを持ちかけられ、心揺らぐ今日この頃のエディに、またも難事件が。撮影中の「ヘイル、シーザー」の主演俳優ベアード(ジョージ・クルーニー)が、突然誘拐されます。
もうエディの毎日が大変で可哀想で。人気女優の妊娠隠しから、撮影の延滞、監督の不満の聞き役、宗教物を作る時の政治的配慮と、何でもござれ。その辺のブラック企業なんか、鼻で笑えるくらいの物凄い忙しさ。なので神父さんに懺悔の時間は午前四時(笑)。そしてエディが仕事を捌けるようアシストする秘書さんの、超有能っぷりが光る。
当然家庭なんかほっぱらかしで、可愛くて良妻賢母の妻(あれ、アリソン・ピルだよね?)に任せっぱなし。「転職の話しがあるんだ。もっと時間にはゆとりがある。どう思う?」と、妻に問えば「家には居て欲しいわ。でもハニー、あなたが決めていいのよ」と、夫に全幅の信頼を置く、泣かせる台詞が返ってきます。しかしこの愛ある妻も台詞に、別の意味で泣けてくるエディ。本当はね、妻に「絶対転職して!」と言って欲しかったのよ。それがなきゃ、どんなに好条件でも、今のストレスフルだけど、遣り甲斐のある仕事を辞められないのです。ロッキードのスカウトマンには、「映画なんか、は〜ん。うちの社はもっと社会的に格上だよ〜ん」なーんて言われるのも小憎らしいし。もうこの辺りで、私が映画好きとしてエディに感謝して、彼が物凄く好きになっていく。
豪華絢爛な配役陣が、それぞれ当時の撮影風景とその裏模様を見せてくれます。私の産まれる前なんですが、それらは私が幼い時分、洋画のテレビ放映華やかなりし頃の作品群を連想させて、もう懐かしくって。キリストを扱う史劇の超大作、MGMのミュージカル、西部劇等々。スカーレット・ヨハンソンは、エスター・ウィリアムズですね。エスターは元水泳選手で、水の中でも常に陸と同じ笑顔を見せると事で有名だったそうですが、スカヨハも水中でずっと笑顔のまんま。あれ本当に頑張ったのかしら?一糸乱れぬシンクロも美しく、見応えあり。スカヨハのビッチさにも笑えます。
チャニング・テイタムの水平さんたちのタップダンスも楽しくて上手かった!ダンサーばかりではなく、添え物のような太っちょのマスター役まで、きちんと振付してあって、アステア×ロジャース型を選ばず、このような群舞形式にしたのは、それを観客に知らせる意図があったのでしょう。マスターのちょっとしたセリフも、後であー、そーゆーことぉ〜とニヤニヤします。
ベアード主演のスペクタクルは、後ろにロールスクリーンに絵が描いてあったり、セットも張りぼてで、もう懐かしくて(笑)。今観ればチープ感満載なのに、今観ても大作感満タン。やっぱりCGじゃないからだと思う。人海戦術&美術は、無駄じゃないのよね。
西部劇の新星ボビー(オールデン・エアエンライク)は、アクロバチックな見事なアクションを魅せるも、セリフはほとんどなし。次の作品はゴージャスなロマンスもののようですが、大根でイモ兄ちゃんのボビーは、監督(レイフ・ファインズ)を大いに泣かせます。ここのやり取りは爆笑もので、すっごく笑いました。これはロマンスの超大作を撮っているようで、シットコム風コメディを狙っているのかな?
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05月15日(日)
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