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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「終の信託」

これがあの周防正行の作品かと、呆然としました。最初から最後まで呆然・眠気・怒りが繰り返すだけの作品。それを延々二時間半!女医は大バカ女だわ、患者の嫁は薄らバカだわ、これ尊厳死を問う作品じゃなくて、女性及び医師を冒涜したい作品じゃないの?今回罵詈雑言、ネタバレです。
呼吸器内科の医師折井彩乃(草刈民代)は、同僚医師(浅野忠信)との不倫関係に破れ自殺未遂。鬱々とした日々を過ごす彼女を励ましたのは、患者の江木(役所広司)。やっと立ち直れた彼女は、江木から自分の終末を託されます。後々彩乃の判断で人工呼吸器が外され、江木は死去。しかし6年後、彩乃は嘱託殺人として起訴され、検事・塚原(大沢たかお)と対峙することになります。
とにかく滅茶苦茶な脚本・演出です。検察に呼び出された彩乃の回想が描かれます。これは良し。序盤で綾乃の不倫現場なんですが、これが何と勤めている病棟の空き部屋。おいおい!綾乃は全裸のファックシーンですが、おかしいだろ?いつ誰が来るかもわからないのに、三文ポルノだって、そんな事しないでしょ?これがお互い割り切った大人の関係ならまだしも、綾乃は本気。バッカじゃないの?(バカです)。バレたら大変なこんな所でやってしまう男に、誠意なんかあるわけないじゃん。遊ばれてるのがわからんのか?当時推定40過ぎですが、これで捨てられて自殺未遂とは、女としてあんまり未熟過ぎ。勉強ばっかりしてて、男は初めてだったなら、セリフで言って下さい。それでもバカですが。
次にこの病院、結構な規模の二次救急のようです。深夜は野戦病院の如くのはずなのに、風邪の女子だけの診察シーンで、他はシ〜ン。これも変。眠れず休みたいと言う綾乃に、当直医師が自分の机から洋酒を差し出すのに唖然。「いや、仕事が終わってからですよ」と弁解しますが、仕事場で飲酒すんの?帰りがけに一杯ひっかけるなり、家に帰って飲めば済むこと。アル中ですか?病院内では、彩乃の不倫は公然の秘密みたいで、「眠れない」と言う原因は、破局だと誰だってわかるわ。医師は激務なので眠剤を服用している人が多く、常に手持ちがあるはず。なので綾乃が発作的にアルコールで服用するのは、私でも読めました。ここも大いに疑問。
信じられない。手薄な夜間の救急、それも当直医が自殺未遂って、どれだけ迷惑かけてんの?浅野は綾乃に「俺にあてつけか?」と嫌味を言います。私もそう思う。何が嫌かって、こんな下衆な男と同調したくないわ。死にたかったら他で死ねよと思っていたら、死ぬつもりはなかったんだとさ(by彩乃談)。それなら思い切り精神科受診だろ?アル中当直医は「この事は内密に」とナースに言いますが、患者まで知れ渡ってんじゃん。どうして院長及び理事長が、綾乃を呼び出し事情聴取しないの?こんな状態で診察なんかさせられるかよ。普通謹慎でしょ?医療現場をバカにしてんじゃないよ。
そして江木に励まされ、立ち直る彩乃。しかし回診の時間が長過ぎ。医者ってそんなに暇じゃないぞ。それとプライベートな事、話し過ぎです。患者にとって主治医は一人ですが、医師にとっては多数の中の一人です。人間ですから、そりゃ気になる患者もいるでしょう。患者が心の底まで話すのは有りですが、でもその逆なんて聞いた事ないわ。ここも大問題。
江木は自分はもう働けず家族に厄介ばかりかけている。妻(中村久美)は妻の両親・夫である自分と介護ばかりの人生で可哀想だ。治療費も掛かる。なので延命治療はしたくない。最後は主治医であるあなたに任せると言います。何故妻に言わないのかと言うと、か弱いからだそう。一人で生きていけないと言うセリフもあったし、それなら長男にも遺言しとけば?
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11月09日(金)
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