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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「サニー 永遠の仲間たち」
ご覧になった映画友達の方々の、熱〜い感想に惹かれての予定外の鑑賞です。これがびっくりするほど面白い!意外性もなく繰り広げられる内容は、鉄板と言って良い予想出来るものなのに、とにかく笑って泣いて、また笑っては泣きの連続に大変満足しました。でもよくよく思い返してみると、ちゃんと風刺もメッセージも込めているのですよね。監督はカン・ヒョンチョル。
優しい夫、高校生の娘を持つ専業主婦のナミ。恵まれた生活だとは自覚していても、物足らなさを感じる日々です。ある日入院する母を見舞ったナミは、「サニー」と名付けた高校の時の仲良しグループのリーダー、チュナが入院しているのを見つけます。チュナを見舞ったミナは、彼女からガンで後二ヶ月の命だと知り愕然とします。ナミが何かして欲しいことは?と問うと、「サニーのメンバーに会いたい」と答えるチュナ。ここから25年ぶりの再会を目指し、ミナの奮闘が始まります。
冒頭、大都会ソウルでも裕福な暮らしだとわかるナミの日常が映ります。娘は思春期で、ちょっと扱いづらそうですが、夫は仕事が忙しくミナの母の見舞いにいけないのでと、代わりにバッグを買うよう妻にお金を渡します。普通に良い家庭ですが、どこか居心地が悪そうなナミ。
チュナは特別室に入院中。もう退院出来ない事を思えば、膨大な入院費が掛かるはずです。相当出世した模様。しかも独身で他に親兄弟の存在も見えない。出世した後知り合った人と違い、バカもやった、恥ずかしい事も知っている昔の親友ナミの出現は、孤独に死と向かい合っていたチュナにとって、どんなに救いになった事でしょう。
まずは自分たちの母校に向かうナミ。鮮やかに当時の回想と切り替わる場面は澱みなく、ここから現在と昔が交互に描かれます。手法は手際よく、どれもこれも鮮やかです。ナミが田舎からソウルにやってきた転校生だった事、対立する少女グループがいたこと。家庭が綿密に描かれるのは主人公のナミだけですが、他のメンバーのキャラも立っており、親の職業なども簡単に語られるのは、25年後に繋ぐためでしょう。親は教師だったり、やり手の裕福な美容師だったり、歯科医だったり。しかし現在の彼女たちの境遇は、その生い立ちからは想像し難いものです。平凡な家庭から裕福な主婦へとなったナミの例もあれば、その逆で転落の一途を辿った者、家庭にがんじがらめの者まで多様です。独り者のチュナしかり。親の庇護の元、ある意味横一線だった学生時代と違い、親元を巣立った後が本当の人生が始まるのだと感じます。特に女の子は、夫選びが人生を大きく左右するのは、これは日本も韓国も同じです。
当時の風俗や出来事なども描いています。当時政治的に過度期だった韓国で起こった学生運動。暴動場面に嘴の青い少女たちの乱闘場面をユーモラスに挿入したのも、女子高生たちには、知ったこっちゃないを表現しているのでしょう。あの当時を描くと、どうしても暗く重たくなりがちですが、こんな楽しくお気楽な青春も実際はあったのだと、観客に思い出して欲しいのだと思います。
女子高生ですから、もちろん恋愛もあり。サニーはどうも硬派な女子高生たちのようで、煙草はOK、でもシンナーは御法度、恋愛の扱いも仄かなものです。当時も発展家の女子高生はいたでしょうが、やはり初恋の扱いは、この方が甘酸っぱい。サニーたち憧れの君が、当時の感じをよく表現した好青年だったのも良かったです。この子、名前はわからないのですが、とてもノーブルなハンサム君です。チャン・グンソクより10倍は良いと思うので、これから出演増えればいいなぁ。
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06月14日(木)
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