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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「パイレーツ・オブ・カリビアン2/デッドマンズ・チェスト」
初日の昨日観て来ました。初日だったので夜中の回もありましたが、普通なら最終の夜7時の回が超満員でした。意外と言っていいはずだった、前作の大ヒットを受けての2ですが、三部作になるとのこと。ちょっと中休みっぽい出来です。
ウィル(オーランド・ブルーム)とエリザベス(キーラ・ナイトレイ)の結婚前夜、突然二人はベケット卿(トム・ホランド)によって捕らえられてしまいます。罪状は国に叛く海賊ジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)を牢獄から逃がしたこと。表向きの理由はそれですが、ベケット卿には裏がある模様。恩赦をもらうべく、二人はジャックを探す旅に出るハメに。その頃再びブラック・パール号の船長となったジャックは、全ての海賊が恐れる幽霊船の船長デイヴィ・ジョーンズ(取り合えず秘密)とのある約束を果たせずにおり、ジョーンズの存在に怯えていました。
というのが、導入部。上映時間は2時間半たっぷりあるので、説明部分に割いた時間が多いのですが、それにしちゃややこしい。私は前作も観ていますが、面白かったけど主役三人とジェフリー・ラッシュ以外は全然覚えちゃいないし、前作から引き続き出てくる人、今作から出る人など(結構多い)など整理しながら、割りと字幕を必至で追いました。出来れば前作の復習、時間がなければネタバレしない程度のストーリーは頭に入れて観た方が良いかもしれません。
前作同様、アトラクション風の冒険シーン、活劇シーンはふんだんにあります。それなりに見応えはあるし、ディズニーらしいコネタで笑いを取る場面も笑えるのですが、ちょっと一つのシチュエーションに時間を引っ張りすぎ。長ーく見せられると、満腹感を通り越して膨満感が。せっかくのアクションも笑いも、早く次に行ってと思っちゃう。次から次に投入されるスピーディーな見せ場に、最期まで飽きさせなかった「M:i:V」とは、対照的です。
幽霊船の乗組員の造形がどこかで観たことあるなぁと、ずっと観ながら思っていましたが、キノコに変身してしまう東宝の「マタンゴ」なのでした。「海のマタンゴ」なんで、幽霊船の乗組員はイカや貝やタコやフジボっぽく変身していくのでした。しかしなぁ、これは全年齢対象向けの健全なディズニー作品でしょ?良い子のみんなは怖くないんでしょうか?前作の骸骨姿はユーモラスでしたが。それと海賊がテーマですから、汚くて当たり前なんですが、それにしても汚い汚い、小汚い!大昔のエロール・フリンみたいに颯爽と美しくなくても良いですが、陸でも海でも、垢や泥にまみれて汚すぎるのはどうしたわけ?夢のある冒険活劇にしては、不必要なリアリティかと感じ、前作ではそれほど思わなかったので、ちょっと違和感がありました。
ジョニデは相変わらず芸達者でチャーミング。前作出演前は、熱狂的なファンを持つ、偉大なサブカル系俳優という感じでしたが、「子供といっしょに観られる作品に出てみたかった」との父親心は、彼をハリウッドの本流に押し出し、かつインディーズの香りも保ち続けるという、誰ともかぶらず、後にも先にも類をみないすごい俳優になったんだなと、しみじみ感じました。
原住民に拉致られるシーンのチープさといい加減さは、新東宝かと思いました。本格的なリアリティに富んでいた同様シーンの「キングコング」には比べるべくもないんですが、私は結構好き。これもジョニデが演じたから、ちゃんとシャレになっていたと思います。
ジョニデに比べると、今作のオーランドとキーラはあまり精彩がありません。特にキーラは、世間知らずのお嬢さんの天真爛漫なお転婆ぶりが、私は大好きだったんですが、今回の流れは大人になったというより、妙に女のいやらしさを感じます。期待の新進俳優だった前作の時は、元々持っている俳優としての豊かな素質を一生懸命演じるだけで、観客は好感を持って彼等を迎えたはず。でも期待に応えて若き大物俳優になった今、素養以上のものを見せて貰えなければ、観客は納得出来ないかと思います。一流と言われる人達は、皆乗り越えて来た道、二人とも良い俳優さんだと思うので、続く「3」では、是非盛り返しを期待したいです。
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07月23日(日)
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