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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「乱歩地獄」
タイトルどおり江戸川乱歩原作の世界を、四つのパートのオムニパスにしてそれぞれ別の監督により映画化しています。
1 「火星の運河」 監督竹内スグル
荒涼とした大地を、全裸で意識朦朧として歩き続けている男(浅野忠信)の見たものは・・・。
すみません、全然わかりません。わからんどころか面白くも何ともない。歩く間に、過去がフラッシュバックしているか妄想か、男が薄汚い部屋のベッドで女性をレイプしているようなシーンが挿入されます。女性を殴りまくるので気分が悪い。殴るのがロン毛で浅野なので、もっと気分が悪い。そんな浅野は全シーンほとんで全裸ですが、薄汚さ全開なので、パンツくらいはいてくれと思ってしまいました。これアイスランドで撮影したらしいんですけど、一体何の意味が?私の中ではダントツのベベ作品。
2 「鏡地獄」 監督実相寺昭雄
不可思議な連続殺人事件を追う明智小五郎(浅野忠信)。殺人現場には和鏡が必ずあり、明智は手がかりを探りにその和鏡を作る透(成宮寛貴)に会いに行きます。
4作品の中で一番、最大公約数の人が想像する「江戸川乱歩」の世界ではないかと思います。不可思議な現象には科学的解明がつきながらも、病んでしまった人の心には説明がつかず、和の様式美の中淫靡で誘惑的な世界が繰り広げられます。主演の成宮寛貴は、名前と顔が一致するくらいであまり知りませんでしたが、すごくセクシー。若いのに着物姿も決まっており、妖しい美しさが際立っていました。
ただ未亡人の兄嫁との濡れ場が出てくるのですが、これがどーも。兄嫁が美しくないのです。年の差もかなりある感じで、本当に普通のおばさんで魅力が薄いです。舌を絡ませたディープキスシーンなどエロス満開の演出なのに、イマイチ乗れません。その後SMになだれ込むのですが、この兄嫁さん、体にも魅力がありません。縄で縛ってロウソク攻めなんですが、私はSMはわかりませんが、推定AカップよりCカップはある方がいいんじゃないでしょうか?
実相寺監督によるとエロスは100人いれば100通りだとか。そういえば兄嫁役の人は、この作品にも出ている夫人の原知佐子の若き日に似てなくもない。でもそんなマニアな自分の好みではなく、ここは一般大衆的な視線で
キャスティングはした方が良かったんではないかしら?いや監督夫人は女優さんとしては立派な方ですよ!でも縄で縛られてエロチックな感じじゃないなぁ。茶道のお師匠さん役の吉行由実でも良かったかも。Aカップみたいですが。どうでもいいけど浅野よ、明智の役の時くらいロン毛はなんとかしてくれ。寺田農、堀内正美など実相寺監督好みの他の出演者は盛り上げてくれていました。
3 「芋虫」 監督佐藤寿保
戦争で負傷した須永(大森南朋)。手足が切断され火傷のため全身ケロイドの彼に残されているのは、視覚と触覚のみです。妻(岡元夕起子)は、かいがいしくも屈折した態度で夫に接します。そんな二人を監視するように見つめる青年(松田龍平)。彼は須永を美術品として見ていました。
こんなところで増村保造の「清作の妻」と「陰獣」のエッセンスに出会おうとは。妻が淫蕩な気持ちをつのらせて夫に接している場面の数々が非常にエロチック。演じる岡元夕起子もアバンギャルドな雰囲気ながら上品で美しいので、女性の私が観ても嫌悪感はありません。むしろ屈折していますが、夫への深い愛情が感じられます。傷痍軍人のセックスで切なかったのは「ジョニーは戦場へ行った」、滑稽だったのは「ガープの世界」、物悲しくも鬼気迫る欲望を感じたのは「赤い天使」ですが、この作品の須永もきっと自分はその気はなかっただろうに、体は不自由になっても妻におもちゃにされて反応してしまう、男性の性の哀しさみたいなのを感じました。
4 「蟲」 監督カネコアツシ
女優の木下芙蓉(緒川たまき)の運転手をしている柾木(浅野忠信)。彼はアレルギーにより虫がはうようなかゆさに悩んでいます。密かに芙蓉を愛している彼は気持ちがつのり、やがて・・・
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11月20日(日)
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