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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「THE JUON/呪怨 」
やっぱダメ。全然怖くない・・・。全米でその週初登場の作品でNO.1となったこの作品を、私の愛する綺麗な劇場で従業員さんも親切なのに、下駄履き(そんな人はおらんが)でも敷居の高くない、布施ラインシネマで夕食の買出しに行く前に、ささっと観てきました。本当は前々からこの日は、友人と「パッチギ!」を観る予定でしたが、友人が風邪でダウンで順延。申しわけながる友人ですが、私は全然大丈夫。「パッチギ!」の順延は残念ですが、私には観たい作品がてんこ盛りにあります。「JUON」が「全然元作と同じ!リメイクの意味がわからん!」と聞き、しめしめとこれにしました。だって日本版観てないもん。

いや正確には観たかったのですが、ミニシアター公開で行きそびれたのです。私はホラー大好きなのですが、神経が鈍感なのか、ほとんどの作品は怖いと思いません。去年は「悪魔のいけにえ」のリメイク「テキサス・チェーンソー」が出来が良いと聞き、わざわざ元作をビデオで復習し臨みました。これは良い出来で、元作の生理的嫌悪が若干弱まった分、ヒロインが現代的で強くなり、これはこれで面白かったなと満足しました。しかし「テキサス〜」はだいぶ怖かったらしく、余裕をぶっこいていた女性は私くらいで(だいたい女一人客は私だけだった)、可愛いお嬢さん方は、「怖かった!めっちゃ怖かった!」と口々に男連れでもないのに仰っていたので、本当に怖かったんでしょう。夢よ再びだったのですが・・・。

東京に交換留学生として来たカレン(サラ・ミッシェル・ゲラー)とダグ。カレンは福祉を学んでおり、授業の一つとしてアメリカ人家庭の介護に向かう。古い日本式の家の中には、痴呆の進んだように見える老女がいるだけで、息子夫婦はいなかった。荒れ果てた家を片付けるカレンは、2回の部屋のにある押入れに、閉じ込められている男の子を救い出します。不自然な老女と少年。派遣先の上司に連絡を取り、不気味な家で彼を待つカレンに、恐ろしいことが襲います。

この荒筋からダーーーーっと、たたみ掛ける恐怖の連続なのですが、白塗りの伽耶子や俊男が出てこようが、あごなし女が出てこようが、ヌッといきなり足をつかまれようが、全然怖くなりません。でもこれは私が鈍感なだけかも。ストーリーは、過去のことをフラッシュバックして、何故この怨念が取り付くのか、丁寧にわかり易く説明してくれます。この家の怨念に確信を持つ刑事が、あんたそれ退職してからやりなさいという行動に出たりするのがちょっと疑問でしたが、元作では退職刑事の役だったとか。腑に落ちないのはこれくらいでした。

生活レベルの高そうなホワイトカラーの白人が、あんな古い家借りんやろ、と言うツッコミは、そうなると話が成立しないので、きっと郷に入れば郷に従えで、日本に馴染もうとしたのでしょう。うん、そうしとこう。それを裏付けるように、登場する外人俳優は、みな日本語を一生懸命喋るので好感が持てます。(でもホラーで好感を持っても・・・)

脚本・監督は元作の清水崇なので、古い陰気な、何かいわくありげな家の様子が上手く、町並みや人々もオリエンタルにソイソース(醤油)をぽたぽた数滴落として、外人好みのジャパニーズの出来上がりではなく、下町のまだああいう家が残っている日本がきちんと描けていました。全米でヒットしたのは良いことだと思います。

怨念に関しては、親の巻き添えを食った俊雄には非情に同情できるものがありますが、伽耶子に関しては自業自得で、死んでも人様に迷惑をかけるなど、きっと生きている時もはた迷惑で周囲を困らせただろうと思われ、死んでからくらい反省して、息子の成仏のため生きろ(?)と思ったりします。ホラーは怖がらせる方に魅力がないと面白みが半減するので、その辺も私には×でした。だから松島奈々子主演の「リング」も思い切り×!あれは原作を読んでいますが、稀代のホラークイーンの貞子をあんな目ん玉のおばけにしてからに!と腹立たしかったので、ハリウッド版は観ていません。「リング」の映像化は、高橋克則主演作の10年くらい前の2時間ドラマが、なかなか原作のテイストを上手く吸い上げて秀作です。よろしければどうぞ。


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02月14日(月)
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