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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「怪物」
ラストは、明るい陽光に向かって走る湊と依里の姿で終わります。色んな解釈があると思いますが、私は二人は死んだのだと思う。早織と保利が二人を探し当てたのは、嵐の夜です。何度も出てくる生まれ変わりの話。今の状況が、それほど辛かったのでしょう。「生まれ変わったのかな?」という依里の言葉に対し、「同じだよ」と答える湊。死んで生まれ変わる事はない。だから死を思い止まって欲しいという、作り手の願いのような気がします。
私は女子校育ちで、中学当時は運動部の先輩など、ファンクラブめいたものがありました。フランス人形のように綺麗な子に、恋に似た感情を抱く子もいましたが、高校に上がって、ほぼそういう有様は消滅。女子に限らずローティーンの時は、恋する対象が曖昧な子も、珍しくはないと思います。LGBT教育は、小学校から始まっている学校もあるそうですが、今後は必須科目なのかと感じています。でもまず、大人からアップデートしなくては。
教師としての自分の失態を思い知り、嘘をついて辞職迄追い込んだはずの湊に、「先生が悪かった!」と叫んだ保利先生が、私は眩しかったです。全ての子供たちが、心身ともに健康的な毎日が送れるよう、心から祈りたくなる作品です。
06月06日(火)
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