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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ヘアスプレー」
エドナはクリーニング店も営んでいるのですが、ガチガチに堅くお上品であることが生活の信条のペニーの母親は、ペチコートの値段が高いと文句を言います。「シミを取るのに苦労したからよ」と言い返すエドナ。「失礼じゃないの!」と言うペニーの母ですが、このシミって多分生理の血液でしょう。お金を出すからと生理の血のついたままのペチコートをクリーニングに出すなど、まったくもって恥知らず。女としてあまりに不作法です。
対するエドナは慎み深く、夫への愛を表現する姿は本当にいじらしく、パパが「お前にしか興味はない」と言い切るのに充分な女らしさです。こんな素晴らしい女性のエドナを男性俳優でと拘ったウォータースの真意は、人間は表面の氏素性や地位で計るなかれ、中身を見ろ、そういう意味かも知れないなと感じました。
最後になりましたが、ミュージカルシーンは盛りだくさんで、時代設定の60年代にマッチした軽いロックンロールが楽しく、歌いあげる黒人のブルースはファンキーで、声量の豊かさには圧倒されます。踊りも同じ若さの表現でも、白人は端正で正統的な雰囲気、黒人は自由自在で力強いステップと振り付けも変え、こちらもとても楽しめました。
主役は超重量級なのですが、スクリーンはどの場面でもとっての軽やかでコミカルで、爽やかさがいっぱいです。舞台版をご覧の方には物足らないかもですが、こちらもとっても上出来ですので、是非ご覧下さいませ。
10月21日(日)
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