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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「パッチギ! LOVE&PEACE 」
一新されたキャストは、私は健闘していたと思います。井坂俊哉は子供を持ち大人になったアンソンに似つかわしかったし、中村ゆりも清楚で好感が持てました。二重の幅が両目違うのが、当時のアイドルはよくあったこと。皆知らない間に整っていましたが、キョンジャがあのまま芸能界にいたら、同じ幅になっていたかもです。

絶品はキムラ緑子。「私が白蛇殺したからや〜!」と、場所も相手も関係ないく号泣・絶叫する場面は爆笑。ところかまわず感情を爆発させるのは、在日にはよくあるところで、我が身を振り返り反省しつつも、別にええがな、と思う私もいたりします。忘れちゃならないのがチャンス役の今井悠貴。関西弁も完璧で、演技も大変上手でした。しかしチャンスの難病についても、あの終わらせ方は不明瞭でいただけません。

様々な事柄を詰め込んだあまり、オモチャ箱をひっくり返して終わった、そんな感想です。私自身は特別胸を張るわけでもなく、大きな顔をするわけでもなく小さくなるわけでもなく、日本に生まれた韓国人として、自然にこの国で生活しています。国籍は韓国ですが、私の過去も現在も未来も日本にある訳で、私に取っては一番大切な国です。なら何故日本人にならないかと言われそうですか、日本人になるのは、今の私とっては寂寥感の伴うものです。そういう微妙な感情を描くのは難しいものなのだ、と今回感じました。朝鮮大学を出て日本で確固たる地位を築きあげているプロデューサーの李鳳宇の心境も複雑なのでしょう。ラストのアンソンがチャンスに語る「ウリナラ(祖国)へ帰ろうか?」というウリナラは、北朝鮮です。現在の北朝鮮の状態を日本で暮らす李プロデューサが知らないはずはなく、私は彼の深いため息のように感じました。

05月27日(日)
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