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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「フロントライン」
その中で、ホスピタリティを忘れないクルーたち。森七菜演じる寛子は、英語が話せる日本人なので、獅子奮迅の働きです。マスクだけして働くのは、とても緊張した事でしょう。乗客たちが船室のドアに、クルーたちへの感謝の手紙を張り出しているシーンにも、胸が熱くなりました。ここも全く想起しない事だったので、知って良かったです。
上記仙道や立松、結城の「やるべき事をやるだけ」等、名セリフがいっぱいの今作。船の人たちを受け入れた藤田医科大学の理事長(滝藤賢一)は、無症状ばかりと聞いて受け入れたのに、道中で発症者続出で怒り心頭です。しかし真田に、「先生は貴重な経験をしたんだよ。次は俺にも教えてね」と、笑顔を向ける。私はお医者さんたちは皆、彼らに成ろうしていると、信じたい。
感染症専門医に対しての意見で、「先生は正論を仰っているが、あの手探りの中、正論が決して正しいわけではない」との、DMATの声明。専門医が、導くつもりが出来なかったのは、あの喧騒の中では仕方がない事ですが、状況を見守る知性があっても、良かったかと思いました。それはマスコミも一緒です。
感想の冒頭に、「語り継がれるべき」と書きましたが、戦争と同じだと思いました。日本は島国で、歴史的に長らくの鎖国もあり、感染症にはパニックに成りがちです。意味不明のバッシングも、今思えば、偏狭な感情よりも、得体の知れない物に対しての恐れだったのだと思います。
この作品は、もし次にパンデミックが起こったら?その時の心構えが、いっぱい詰まった作品です。是非観て貰って、各自当時の検証をされて下さい。
06月15日(日)
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