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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「仕掛人・藤枝梅安2」
小林薫の悦堂も、ほんの少しの出演なのに、物凄く良かったです。慈悲と滋味に深い人柄なのが、手に取るように解ります。「腕が上がって、患者が良くなっていくと、鍼が面白うて仕方がなくなる」と語る言葉は、面白い=悦びであったのだろう人なのでしょう。
唯一気になったのは、半十郎の相棒の佐々木を演じる一ノ瀬颯。彼だけ背景がまるで描かれない。仕掛でもないのに、半十郎の因縁に生死をかけるのは、梅安と彦次郎のように、強い絆があるはずです。彼、殺陣はとても良かったです。主役が鍼と吹き矢なので、華やかな殺陣を担う役柄は重要なはず。前作ではそれが早乙女太一で、殺陣も背景も存在感もバッチリでした。戦隊モノ出身だそうですが、背景なしで演じるにはニヒルさも存在感も、まだ足りない。若さのせいでしょうね。せっかく「颯」なんて時代劇向きの名前なのだから、もっと大事に育てたらいいのにと、ちと可哀想でした。
梅安と彦次郎の仕掛けは、ドラマのような荒唐無稽さはなく、知恵を絞り、時間をかけ、一瞬で仕留めるもの。仕留める様子は華麗さはありませんが、緊張感がじっくり持続するので、殺しの場面は、カタルシスを強く感じます。
重厚な作り込まれた時代劇の中に、情感がたっぷり漂っています。「2」だけご覧になっても、充分楽しめると思います。両方良いですが、私は「2」の方が好きです。
04月11日(火)
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