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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「主戦場」(Amazonプライム)
全部別の人の発言です。この前のシーンで(いや、後かな?)、日本兵として戦争に行ったと言う90代の男性は、「当時は女性は人間ではなかったんです。」と証言されていました。上記の方々は、戦争前の状況から戦後80年近く経っているのに、全く思考がアップデートされていないのが判る。
いやはや、こんな暴言・暴論がが出てくるとはね。事は慰安婦問題だけではありません。監督は慰安婦問題を通じて、人権の尊重を描きたかったんだなと確信しました。膨大なインタビューは、まさしく証言という事実の積み重ねで、言った言わないの水掛け論は存在せず。
裁判でも、ケント・ギルバート氏など数人の否定派が「自主製作作品だと聞いていた。商業作品として公開するとは聞いていない」との訴えを、製作者側は、「公開することもあると事前に伝えていた」と反論。でもその反論が無くとも、裁判は勝ったんじゃないかなぁ。否定派の見知った人は、いつもの論法で答えていて、主張にブレはなかったですもん。映画とは、例えドキュメンタリーでも、作り手の主張は入るものですから。例え自主製作でもね。それを教えてくれたのは、マイケル・ムーアです。
しかし映画はここで終わらず、もっともっと壮大な展開に。岸信介まで出てくる。私はこの人がA級戦犯で巣鴨の刑務所に入っていて、東条英機の部下だったとは知りませんでした。これは幅広く認識されているんですかね?事は人権問題に留まらず、如何に右傾化する政治は危ないか?とのメッセージでした。
安倍氏の死去から明るみに出て来た、旧統一教会と自民党との癒着。表看板では嫌韓を装い、裏では韓国本国やその他の国でもカルト宗教扱いの教団に、にこやかに祝辞をする安倍氏やその他の自民党の政治家たち。自民党を支持して、甘い汁を吸っていたならいざ知らず、そうではない支持者たちの声が聞かれないのは、どうしてかしら?私が当事者なら、裏切られたと思います。日砂恵ケネディ氏の勇気と胆力は、高潔だと思う。
監督は日系アメリカ人。私は韓国系日本人。私たちのように、血筋とは違う国籍や永住権を持って、その国で根を生やし生きている人は、たくさんいます。そして最大公約数の人は、両国とも愛していると思う。監督は右傾化の進む日本を案じて、この作品を作ったのではないでしょうか?反日映画との評判は、全く持って遺憾に思います。
この作品の公開は四年前。安倍氏死去の後、数々の政治絡みの検挙が出ているのは、偶然ではないはず。コロナ禍で誤魔化されていた現状が明るみに出て、国の状態も少しずつ変わりつつある今、感情論ではなく、この作品を正しく理解する人は、四年前より増えると思います。
さて映画を観た私の見解ですが、強制連行された従軍慰安婦は存在したと思います。劇中出てきましたが、連行と言うと、腰縄つけて夜中に連れて行かれて、と思われがちですが、騙されて連れて行かれても、連行になるのだとか。そして強制。意に添わぬ事を無理やりさせられるのは、強制であるとの事です。これが理由です。
昨年95歳で亡くなった父は、日本兵として出征しています。日本へは数え年の15で来ました。「慰安婦は強制で連れていかれたんではない。みんな知ってて日本へ行ったんや」と言っていました。姑は生きていれば100歳。戦争当時は日本に出稼ぎに来ている舅宅で、夫の帰りを待っていました。「日本に仕事があると言われ、連れて行かれた女の人は、みんな騙されてパンパン(すみません、すみません。原文ママ)にされたと言われていた」と、生前話していました。今思えば、もっと詳しく聞いておけば良かったなぁ。
杉田水脈氏が、またしても「幾らでも嘘をつく」と言っていました。この人、このセリフが好きやな(笑)。同性が言うなんてと、とても嫌悪感のある言葉だと、最後に付け加えておきます。色んな感想があって良い問題です。たくさんの感想が読みたい作品です。
04月07日(金)
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