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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「エゴイスト」
瀟洒な自分のマンションに似つかわしくない、フェイクファーの派手なコートを羽織って、浩輔が歌うのは「夜を急ぐ人」。ちあきなおみの圧倒的なパフォーマンスが目に焼き付いています。ちあきなおみが歌うと、狂気と孤独が感じられ、浩輔からは孤独と哀愁でした。浩輔は愛とは何なのか?を見つけられずに、迷子になっているのかなぁ
本当は浩輔も、援助するなら家計ではなく、龍太に就職に役立つ資格を取らせる等するべきだったんでしょう。でもね、盲目的な愛とは、正常な判断をさせない。エゴイストとは、利己的な人と言う意味。みんなみんな、愛を乞い、独占したいと言う感情が先に立っている。愛は人をエゴイストにするのでしょう。愛は奪うものだと醜いけれど、でも与えることもエゴなんだなあと、考えさせられました。
鈴木亮平が絶品。本当に何でもパーフェクトに演じますよね。中堅の中では、頭一つも二つも抜きんでている感があります。英語も出来るし体格も立派だし、海外進出も考えたらどうかなぁ。宮沢氷魚は、どんな役を演じても、清潔感と純粋さがあります。あんなに背が高いのに、天使に見えるんだな。素敵な個性だと思います。阿川佐和子は、あんなにお芝居上手だと思わなかったので、大感激しました。とても素直な演技で、間違った選択をしたと感じても、共感も理解も出来たのは、阿川佐和子の名演技のお陰です。
身支度をして帰ろうとする浩輔に、「もう行くの?もう少しいて」とねだる妙子。笑顔で「いいですよ」と返事する浩輔。「二度目の母」との時間は、「僕には愛が何だか、解りません」と涙する浩輔に、きっと愛が何なのか、教えるための時間なんでしょう。一回り人格が高くなったような浩輔の笑顔に、涙が止まりませんでした。本当の愛って、何なのかしら?私はひたすらに、相手の幸せだけを願う事だと思っています。だから、私にとっては子供たちです。夫には与え求めずは出来ないから、私もエゴイストね(笑)。私はこの作品、大好きです。
02月17日(金)
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