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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ステージ・マザー」
メイベリンの夫は、息子が亡くなっても彼を否定し、頑なにマチズモ的思考を変えません。同じ年頃の男性たち四人で、フットボールだか野球だかをリビングで観覧。メイベリンは甲斐甲斐しくお世話するだけの風景は、私にも経験があります。私の夫が今でもあのままなら、とっくに三下り半を渡して、私は離婚しています。世の中の価値観が変化しても、進歩も成長もしない夫。メイベリンはそこが嫌なのです。一人息子の死が、メイベリンを狭い世界から解放したのだと思いました。
あれもこれも、心に残るエピソードが満載ですが、私が好きなのは、メイベリンが息子を否定するエリックの母親に、「エリックは立派よ。私は息子が亡くなって、もう会えない。是非店に来て彼の唄を聞いて欲しい」と涙ながらに言う場面と、和解したネイサンが、「今から歌うのは僕のママです」とメイベリンを紹介する場面。メイベリンも「あなたは息子」と言いました。あっ、シエナが傷ついた時、「ずっと傍にいて」と、メイベリンの手を握るシーンも良かったなぁ。息子たちが中学生の時、熱が出て介抱している時、「お母さんが手を握ってくれたら、熱が下がる気がする」と言ってましたっけ。
ジャッキー・ウィーバーが素晴らしい!小柄で声も可愛く、どこにこんなバイタリティーがあるんだろう?と言う感じですが、それはお母さんだから、で納得してね。若い時はさぞ可愛かったんでしょう。高校生の時から彼女に片思いしていた人が現れますが、納得のキャスティングです。まっ、こんなに頑張ったんだもん、ロマンスくらいいいよね(笑)。華やかで孤独な悩める子羊たちに、ありったけの母性を注ぐ、お母さんて素晴らしい!と言う作品です。
03月10日(水)
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