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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「パーフェクト・レボリューション」
それが、ミツの結婚したい、子供が欲しいと言う願いを、クマが躊躇し始めた事が原因で、綻び始めます。リストカット、暴力行為・暴言、自殺願望など、超がつく情緒不安定ぶり見せるミツ。人格障害で顕著な症状です。人格障害の人は、本当に面倒くさくて、こちらの精気を吸い取るが如くです。なのに、一見は普通なので、身近な人しかわからない。本当に厄介です。何でそんなに詳しいかと言うと、前職で精神科の受付をしていたからですが、それ以上に、私の亡くなった母親が、人格障害だったから。

もう27年前に亡くなっているので、そんな病があるとも知らず、精神科にも通院していなかったので、確定病名をもらったわけじゃないけど、多分ね。私はそれがわかっただけでも、精神科に勤めて、本当に良かったと思っています。母はミツ+摂食障害、虚言癖がすごく、今思えば、大事な話しは、ほとんど「大盛り」でした。等身大・自然体が苦手で、とにかく振り回される。私が精神科に勤めていた頃、先生に母の話をしていて、私には何で症状がないのかを尋ねたら、人格障害は、環境が作るもの。そして母のようになりたくないという強い信念が、私にあったから。と言われました。

ミツは子供より男を選ぶ母に生まれて、ネグレクトで育ち、気がつけば、男を憎みながら、男の愛情を求める、母のような女になっていました。私が自分を尊重出来たのは、そんな母でもしっかり愛情は感じていたからです。例えそれが、束縛と名がついても、そんな事はずっとずっと後で気付いた事です。なので私は、人格障害の女の子たちを見限りたくない。

母が右往左往しながらも、病死と言う形で人生を全う出来たのは、私と妹がいたからです。救われたくて、ミツが子供を産みたいと思ったのは、本能的なものだった気がします。諸刃の剣では、ありますが。

と、ここまでは、お涙頂戴ではない、問題提議もいっぱいして、なかなか良かったのに。自分を傷つけ、周囲を傷つけた二人の行く末が、あれか?傍観者でも偽善者でもなく、ミツに寄り添って保護者のようだった晶子(余貴美子)に、何であんな事させるの?恵理まで加担させて。一番二人を理解して、二人に幸せになって欲しいと思っている彼女たちが、どうして最後の最後、善意の偽善者になるの?とにかくラストで、思い切り落胆しました。

あれでは、破綻へ一直線。この作品はフィクションです。だから尚、もっと現実的で希望の持てるラストを描いて欲しかった。ラストで大きくバッテンをつけたい気分です。

ファンタジーオチとでも言いたくなるようなラストは、熊篠氏もOKだったのでしょうか?現実に行き詰まり、仮初の希望にOK出したのなら、残念です。
本当にクマの事、ミツの事を思うなら、別のラストを描いて欲しかった。私なら作業所でもどこでもいい。働くミツを観たかった せっかく演じ手皆がとても好演していたのに、本当に残念です。

10月09日(月)
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