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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ライオン 25年目のただいま」
実際に、養子も実子も持つニコールの演技が素晴らしい。彼女の地味な装い、ほぼメークなしの顔からは、全身で母親の喜びと悲しみが発散されて、心が同化していきます。
サルーがマントッシュに馴染めなかったのは、実の兄との思い出が、忘れられなかった事も、起因していると思います。
彼女が何故養子を貰ったかにも、感じ入りました。そこに行き着くのは、自分の父親が、アルコール依存だったと言うことも、関係していると思いました。他人が産んだ子を、我が子として幸せにしたい。何と崇高な決意でしょう。大阪では最近、ゲイのカップルが里親として認められました。賛否両論あるでしょうが、私は良いことだと思う。子供にとって、その他大勢の一人であるより、出掛けに車に気をつけてと言ってくれ、帰りが遅いと心配したじゃないかと叱ってくれる、自分だけを見つめ思ってくれる人がいることは、幸せです。今までの人生の欠落した部分を、必ず埋めると思うから。
もったいぶった割には、あっけなく見つかった実母。実話ですが、この奇跡を呼び込んだのも、実母の子を思う心であったと思います。二人の素晴らしい母たちに共通するのは、常に子の幸せはどこにあるかと模索し願いながら、子供に執着しない事です。執着しないのは、子供を信頼しているからです。子供を見守るという事は、なかなか難しい事です。私も子育ては終わっても、親はまだまだ終わらない。私も見習いたいと思います。
私は子供が喋れるようになると、自分の名前・住所・親の名前・兄弟の名前・電話番号を、必死で教えました。幸いそれが役立つ事はなかったですが、全部間違っていたのに、本当によく親が見つかったなと、タイトルの意味を教えて貰うラストで、また感心。
このお話は私にとっては、息子の物語じゃなく、お母さんの物語でした。母親になれて、本当に子供たちに感謝しています。さて大阪のゲイカップルは、お父さんが二人。お母さんに負けないお父さんになって下さい。応援しています。
04月19日(水)
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