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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「破門 ふたりのヤクビョーガミ」
横山裕はへたれでグータラ、なのに強欲でどんな大変な事もどこか他人事、の二宮を、憎めないキャラに作って好演。当初は、自分の事をクズと自嘲するなら、もうちょっと感情込めて演じた方がと思いましたが、この「何を考えてんねん、お前は!(by桑原)」の、ぼっ〜と浮ついた感覚が、二宮の持ち味。桑原に情があるのかないのか、曖昧感も上手かったです。

橋爪功は、東住吉区出身なんですね。大阪の人て、全然知らんかった。表面はお茶目で小心、実は狡猾で転んでもただでは起きない小清水を、愛嬌たっぷりの絶妙の好演。お蔭で先がかく乱されて、最後の最後まで楽しめました。ちょっと早いけど、今年の賞レースでは話題に上がって欲しいです。

その他、圀村隼、キムラ緑子、北川景子、中村ゆり、宇崎竜童、木下ほうかなど、全国区の関西人を出演させて、関西ローカル俳優を起用しなかったのは、マイルドテイストを狙っていたからだと思います。ちゃんと子離れ出来ているけど、幾つになっても息子は心配と言う母親の性が上手く出ていたキムラ緑子が、良かったです。割を食ったのが橋本マナミ。悪かった訳じゃないですが、どうも北の方角の匂いがするなと調べたら、やっぱり山形出身でした。水を得た魚のような北川景子と対照的。15年前なら杉本彩の役ですね。ちょっと気の毒でした。

展開のテンポもよく、やくざ社会のからくりもチラチラ伺える、マイルド極道映画。そうそう、桑原の舎弟が「桑原さんて、昭和残侠伝なんですわ」と言ってましたが、極道社会は、今も昭和の健さんがレジェンドなんですかね?続編も目論んだラストですが、劇場は程よく観客が入っており、私も是非観たいです。ドラマ版は、北村一輝と濱田岳のコンビ。味わいが異なりそうで、こちらも是非観たいです。

02月06日(月)
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