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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ルーム」
テレビのインタビュアーが、「子供は手元に置かず、誘拐犯に託して、病院の前に捨てるなどしようと思わなかったのか?その方が子供のためではなかったか?」と言う、思いもよらない質問で、一気に精神が崩壊するジョイ。このインタビュー内容に、私は激怒します。

ジョイが気丈さを保てたのは、ジャックの存在です。幼い我が子を育てなければ。その感情は、何より母親に力を与えます。子の幸せだけを願うのが良き母なのか?私は違うと思う。断言出来ます。母と子供、両方が幸せになれる術を模索すべきです。それは母子の数だけ、様々な形で存在するはずです。母親には健やかに子供を育てる義務、幸せになる権利があるからです。

何度でも言おう。母親は自分と子供、両方が幸せになる道を、模索する権利と義務があります。主体は母親で、子供ではない。何故ならそこには自由と重い責任があるから。子に思い責任を持たせるべきではありません。自分の存在は、母の人生を豊かにしたと、子に満ち足りた思いを抱かせる義務が、母親にはあります。

ジャックの長い髪は、私の思う子供から得る力の象徴だったんだなと、鑑賞後に感じました。「お祖母ちゃん、好き」のジャックの言葉に、一瞬言葉を詰まらせながら、「お祖母ちゃんもよ」と涙ぐむジョイの母親。平凡なこの言葉の重さ。離婚・新しいパートナーと言う選択をした彼女もまた、強靭な心で娘の帰宅を待ちたかったからだと、思いました。

ラストにジャックが希望した事。彼の実感。そのシーンの前に、「オッパイ」とジョイにねだるシーンがあったので、あぁここからジャックは、幼児から少年になって行くんだなと思いました。ジャックの希望を叶える事が出来たジョイにもまた、新たな一歩が待っているのでしょう。願わくば、父とも和解してほしい。

女性客が多かったですが、是非男性にも観て貰いたい作品です。

04月15日(金)
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