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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ハーツ・アンド・マインズ」
先の帰還兵は、あなたがした事が、もし家族の身の上に降りかかったら?と言う質問に、一瞬躊躇しながら、「考えない。目を背ける。だから泣けないんだ。泣くと強い男じゃなくなるから」。泣いていい、過ちは悔いて懺悔すればいい。私はそう思う。そう認識しないと、強い男=暴力で相手を屈服させる男なんだと認められないはずです。
「映画は真実を伝え、平和に貢献する義務がある」。この言葉は、オスカー受賞の時、この作品の話しをする製作者に、司会者であった大御所のフランク・シナトラが、「ここで政治の話をするな」と怒ったのを、30代でシナトラより格下であり女性であるシャーリー・マクレーンが止めに入った時の言葉だそうです。40年後ですが、私はシャーリーに敬意を表したい。
人生で大事な事は、今と未来です。大事な今と未来を守るために、人間は過去から学ばねばいけないはず。過ちや苦しみから目を背けないのは、平和な未来を守るため。ネットで知った気になってはいけない。書物を読み、たくさんの人の意見に耳を傾け、その中から取捨選択するリテラシーを育てなければいけないと思うのです。
この作品を観た次の日が母の日でした。独立した上の息子たち二人と、一緒に住んでいる三男から、それぞれプレゼントを貰い、ケーキを囲み談笑しました。健康に恵まれ、この手で我が子を育て、大人になった息子たちは、それぞれが自分の夢を抱いている。私は幸せな母親です。私はこの幸せを、世界中のお母さんたちと分かちあいたいと、切に願います。私の感想が誰かの目に触れ、この作品を観たいと思った方がいれば、これほど嬉しい事はありません。日本がひたひたと戦争に近づきつつある今、それが私がこの作品を観て学んだ、第一歩だから。
05月16日(土)
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