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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「6才のボクが、大人になるまで」
家庭の変遷の背景に、イラク戦争、オバマ政権誕生、銃社会に対する都会と地方の感覚の違い、アメリカでは普通の子供を連れての再婚の様子など、アメリカのあらゆる断面も上手く織り込んでいて、それも時間の変遷を伝える気の利いた小道具となっています。

「あなたたちのお母さんの言う事は正しいから、言う事を聞きなさい」とは、かつてオリヴィアの言葉に人生のヒントを貰ったという男性からの言葉。その言葉に涙ぐむオリヴィア。母親と言うのは、これほど子供に愛されるのに、人生観や道導を示すとき、家族から肯定されることは少ないのですね。例え夫が「お母さんの言う事を聞きなさい」と言っても、それには「煩いから」的なニュアンスも含む場合が多しです。私たちは母親としてだけではなく、人としての尊重や肯定も望んでいるのです。

メイソン旅立ちの時、「こんなに早く終わるなんて思わなかった」と落涙するオリヴィアに、思わず私も貰い泣き。そうなのですよ。いつゴールが見えるのかと、ため息ついた日もある子育てが、終わってみれば、あっという間だったと言う感情は、どの母親にも共有するもの。だから私は若いお母さんには、今は子供だけを観て、子育てを楽しんで欲しいと思う。女の人生は子育てが終わってからも、たっぷりあるのですよ。

自立心を持った子供に育ったのも、母の寄り道のお蔭かな?(笑)。子供には親の短所を切り捨て、長所をきちんと見抜く力を持って欲しいな。そして別れた夫婦も、子供の両親だと言う事は忘れないで欲しい。実験的な作品であっても、内容は普遍的で国境もありません。オスカー発表までは上映続行でしょうから、是非劇場で観ていただければと思います。

01月31日(土)
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