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ケイケイの映画日記
by ケイケイ
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■「ショート・ターム」
大学を休学してショート・タームに子供たちの世話をしにきたネイト(ラミ・マレック)。自己紹介の時、「恵まれない君達」と言ってしまいます。これは世間の本音のはず。子供たちから激怒されます。恵まれない子供たちに「施し」をすることで、自分探しを完結させようと思っていたのかな?しかし、杓子定規で融通が利かず、子供たちとも馴染めない彼が、手の焼ける彼らにうんざりしながら、少しずつ彼らに寄り添い信頼を得る姿は、監督が世の中に望んでいる事ではないかと思います。ネイトの変貌こそ、ショート・タームの子たちの希望なのです。

荒れるジェイデンを慰めるため、ショート・タームの子供たちが作った誕生日カード。「良いお母さんになるよ」と、グレイスを励ますジェイデンなど、何気ない描写が、これほど心に染み入るとは。私の気持ちが彼らに寄り添っていたからだと思います。


同じ少年が裸で逃げ出すシーンで始まり、同じシーンで終わるこの作品。しかしのメイスンの話すエピソードの違い。ジェイデンの描く絵の違い。小さな違いに、ショート・タームの希望が見える。この小さな希望を糧に、また頑張る職員たち。他者の幸せを願える人の人生は、豊かな人生だと思います。

11月23日(日)
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